伝える力

madam-cricket2008-03-20


コロ介の高校の入学説明会に行った。
いやあ感動。


教頭先生のご挨拶に全員心打たれたと思う。
中学から内部進学で高校に進む学生、第一志望で入学する学生も大勢いる。
そしてコロ介のように第一志望の学校のマサカの結果で入学する学生ももちろん大勢いるだろう。
さまざまな形で集った学生を前に、
ご挨拶に立った若い教頭先生は
端的に二つのお話をされた。


流れ星を見たら願いごとをすれば叶うという。
でも実際に流れ星を見たとき、願いごとができる人間などほとんどいないという。
それはいつも願いごとや夢を用意して意識していないからだというのだ。
何がしたいのか、どんな夢をもっているのか、それをいつも心に用意して準備していなければ、叶う願いも叶わないと爽やかに語られた。
実に全くそのとおり。



「このままじゃだめだと思うんですよね」とか
「私も何かしたいと思ってたんです」という方に時々お会いするけれど
「何か」はやっぱり形にならない。
こおろぎも「これじゃだめだ」と思っていたときは何も前に進まなかった。
1985年、「私が行きたい学校」を作ろうという、具体的なものが見えたとき
突然道が目の前に広がった。


ああ残念だわ!広尾に300坪の豪邸を建てようとか、
恵比寿に自社ビルをもとうとか
瀬戸内海に別荘を、とか
パリ16区にオフィスをとか
もっと早く具体的に夢を念じ続ければよかった。
いや、今からでも遅くないか。
夢は形を描いて思い続けよう!
ただし
かなわないかもしれない。
それが夢なんだものね。


そして教頭先生は
流れ星のお話を短くなさったあと
「もしかしたら
先日の公立高校の発表で失敗したので今日ここに来た人もいるでしょう。
本当はこんなところに来たくなかった、本当の自分はここにいてはいけない・・
そう思っている人もいるでしょう。でもそれは違います。
君たちは自分の人生の評論家ではない。自分の人生を評価するのは
死ぬ直前1分あればいい。
さらなる前進をしてこそ、そしてその可能性は限りなくあって・・」
とさらりと語られた。


単なる理想論ではなく、
言葉に現実味があり
歯に衣着せぬ、それでいて実に温かい言葉だった。


まだお若い先生の
直球のメッセージに
こおろぎ、いつもの元気でブラボーっと心で絶叫したのでした。
ホント、立ち上がって拍手したいほど素敵だと思ったわね。



よーし、歌わせても躍らせても伴奏させても
書かせてもしゃべらせても使えるわがコロ介を
受け入れなかった某高校、残念だったわねっ!

コロ介はちょいと遠い学校ではあるけれど
この学校できっとのびのびと歌い、踊り、元気に育っていくに違いありません!
この先生、この学校にコロ介を任せましょう!


卒業した中学は校長先生が猛烈に素敵だった。
入学する高校は、まずは教頭先生が素敵すぎる。
日本の教育はまだまだ捨てたものではありませんっ。


優秀な生徒を集めて彼らの力をさらに伸ばして
高い進学率を誇る高校もありましょう。
そして
未知数の学生の可能性を必死に引き出して社会に送り出してくれる高校もあるでしょう。



こおろぎはどっさりまた学んでしまいました。
わからないものです。
「選ばれなかった」ということで
奇しくも「選ばざるを得なくなった」道が
実はもしかしたら「必然」の道かもしれないのですものね。
こおろぎの今も
山のような失敗と挫折があったからで
キキの今の笑顔も
涙をこらえて広島から北海道に引っ越してきた、その
悲しさがあったからのものかもしれない。


さて
どっさり副教本と教科書を持たされて
コロ介とこおろぎは途中で歩けなくなりました。
地下鉄に乗る前、
車付きのバッグを買ってなんとか帰宅したのでした。
この時点ですでに母も娘も根性と体力で負けてるよなー。
でも首と肩の弱いこおろぎ、この大荷物ですっかり
痛みが復活してしまいました・・・。
でもこれから重さ測ってみるけれど
どうやってあの重さの本、みなさん持って帰ったのでしょうか。
さらに電話帳の厚さの辞書2冊もみんな買ってたのだから
信じられない重さのはず。

辞書2冊薦められたコロ介は
買ったほうがいいんちゃう?と言うこおろぎと
大いに薦める丸善のおじさんに
「家に売るほど辞書がありますからけっこうです」ときっぱり。
丁寧に断っていた。キャッホーっ、偉いっ!


出された宿題の難しさに母娘でため息。
パステルカラーだった春が
急にカラフルになってきた。


人生、悩んだり迷ったり泣いたりしてる暇はやっぱりない。
こおろぎも
コロ介の高校卒業までに
具体的な夢をしっかり描いて歩こうと思う。
どこで流れ星に遭遇するか分からないものねっ!



制服も買った。コロ介、なかなかいいじゃないの。
何着てもアンタは似合う!
似合わない色かと思ったけれど
着こなしはアンタの才能。さすがバレエを志したアンタだわ、
立ち姿が美しい!ひゃーっ、似合う!
このジャケットがこんなに似合うの、コロちゃん1番だわっ!


「お母様、お母様、あのーお母様、お支払いはいかがいたしましょうか・・・」

コロ介を絶賛していて三越のオネエサンの声が聞こえなかった。
早くも失態。


それにしても今日会った新しいご学友のみなさんの
美しかったこと!
男の子も女の子も美形ぞろい。
なんざんしょ、あのお品のよさ、育ちのよさ、そして賢そうなルックス。
コロちゃん一人、強烈に異国情緒満載だった。
まずは
髪の猛烈な縮れは天然自然のカーリーだと学校に
説明するとして
問題はお顔。これも天然自然の産物。美形ぞろいのキャンパスに
ひときわ安らぎを与える癒し系とご評価いただくとするか。
当ホームページ復活後、
多分「マダム蟋蟀のランチボックス」と
「コロ介のハイスクールララバイ」がスタートしてもおもしろいかもね。
お弁当のお問い合わせ、コロ介日記のご要望もあるので
ご希望者のページ、出来ても楽しいのかもね。


どんな場面も見方変えたらけっこう素敵。
立ち位置と目線かえる、あるいは姿勢を変えてみるだけで
人生は実におもしろくなる。
桜はやっと満開になった。