戦闘開始

madam-cricket2008-02-29



マンションの勧誘ってあるでしょ。
電話で、いい物件ありますよっていうやつ。

比類なくいい物件あったところで
こおろぎ、この人生で5回も買ったり売ったりしてきて
どっさり不良債権残ってて、
花業界のセンマサオと言われてるのに・・・


ま、そういう類の電話が来た昨日、
こおろぎに火がついた。


ものすごく忙しいときの電話。

「こおろぎ様のお宅ですね」
「はい」
「株式会社××のHと申します。
このたび、これ以上ないといういいお知らせで・・」
「申し訳ありません、今仕事中ですので」
「こおろぎ様、ちょっとお時間いただきたく・・○○地区の△△で・・」
「仕事中ですので失礼します」

と、ここで切ればよかったのに、相手が続けた一言で
電話が切れるのではなく、こおろぎの神経が切れた。


「個人宅だと思ったのに、会社?」
「は?」


この「は?」が戦闘開始の合図。


めったにこおろぎは発しない。
そして発したら最後なのだ。


「個人宅じゃないんですか?」
「個人宅で仕事してるんです」
「会社じゃないんでしょ」
「は?」


二度目の「は?」を発したこおろぎ。
大爆発の兆し。


「会社だろうが個人宅だろうが、
仕事してるから迷惑だという意味なのよ!」
「会社じゃないんでしょう?」
「どういう意味?」
「会社なら会社名なのるはずですからね、会社じゃないんでしょ?」


切れた切れた切れたぞ、この無礼者!


「何言ってんの?!HOSAKAさん!」

ひゃーっ、個人名でました!○○不動産だったかなんだったかのHOSAKAさん。
あんた、こおろぎ、敵にまわしてどうすんの?

「HOSAKAさん、フツーの主婦が会社だとウソついて
電話断ってる、って意味?」


そこまで誰も言ってないのに、そういう響き。
「いや、そーじゃないですけど、会社じゃないでしょ?
会社名名乗らなかったですから!」


こらーっ、出て来い!この際、会社じゃなかろうがフツーのおばさんだろうが
カンケーないもんねっ。


「上司にかわりなさい!」

「今いません」

「○○不動産のHOSAKAさん、電話のかけかた勉強しなおしなさい。
顔が見えなくても口のきき方、気をつけなさい!」


先生口調炸裂。
くいさがるHOSAKAは
「いやー、会社じゃないのに、会社だっていうから・・」
「あのねー、私は会社だといったのではなくて仕事中だって言ったの!」
「同じですよね、個人宅なのに・・」
「もういい、あとからこちらから上司に電話する!」

血圧あげてこおろぎ電話切ったのでした・・・

で、ここで終わるはずが続編。

すぐにこおろぎの携帯が鳴った。

ドキドキでしょ。


携帯よ、携帯。
オフィス用の電話から転送されてきた。


出ると咳きこんでいる。
さっきのHOSAKAは会話中何度も咳きこんでた。
ろくでもない人間なのでろくでもない友達と付き合って
悪質なウイルスにやられたに決まっている。
そのHOSAKAに違いない。こおろぎの自宅とオフィスデスクの電話番号は
近い。


ひっ、ひっ、ひっ・・・・
ひっ、ひっ、ひっ・・・・



相手がモシモシ・・と言う前に
こおろぎの第一声
「なーに、HOSAKAさん!」


いやー、勝った勝った勝ったもんねーっ


「え?あ?あの・・・」
「なに?HOSAKAクン、風邪どお?」


「あの、○○○ー△△△△番ですよね・・・」


「だからいったでしょう、仕事してるって、電話の3つや4つ持ってるのよ
仕事してるから。いそがしいから電話の5つや6つが同時に鳴るわけよ、こうしてね。無礼な勧誘業者からも電話くるわけよ、自宅兼仕事場だからね、HOSAKA君!」



こおろぎはウソをつきました。電話はここには2本しかありません。
ごめんなさい。でもつい勢い6つもあるでっかいオフィスのフリをしました。


「すみません・・」HOSAKAが謝った。
「なにが?」

あやまったHOSAKAを許さないこおろぎ。
横綱を許さない世間のように、マサカのご立腹のこおろぎ。
そして許さなくてよかった。
敵もあっぱれだわ、マサカマサカの口ごたえ。

「だって、個人宅でしょう?
会社じゃないんでしょ?」

「うるさい!お宅の名簿からはずしなさい!二度と再び電話しないでちょうだい!
あとから上司に電話するから、必ず電話するから!」


あったまにきた。
こおろぎはここで大人なので電話を切った。

どこが大人でしょうか。ごめんなさい。
またウソつきました。
まだまだつづけたかったけど
本当に時間切れなので切った。残念。



貴重な時間をダラダラつまらないことに使ってしまった。
情けない。多分、誰かと喧嘩したかったんだろーなー。


コメンテーターの大先輩、解説委員のOさんが
「こおろぎはいいなあ、いっつも熱い。喧嘩できる大人は最近いないからね」
と先日褒めてくださった。
これは、たかがお蕎麦屋さんで
予約料500円とられたときの話。
人気のお店だからいいのよ、いいの。500円払っても
ママ連れていくのだからいいの。でもねー、時間守れまで電話で言われて
タクシーでとんでいったら、お客さんいないのに、ご予約料ってのはね・・・。
サービス業としてどうなの?と思ったというお話です。



このお蕎麦屋さんにこおろぎは2度、予約料を払った。2度とも
他にお席どっさり空いていたのでした・・・というお話を
Oさんにしたら、
Oさん、さっそくお蕎麦屋さんに伝えてしまって、
サー大変、ドジョウがでてきてっこんにちは!もう行けなくなっちゃった・・・というのは
戦闘の仕方しらない素人。
それはそれ、これはこれ。抜群においしいお蕎麦なので
平気。こおろぎの不満も相手はわかったようですから。
あれこれこおろぎの戦闘話をOさんはいつもおもしろがって
「そのモード、大事にしなさいよ」とおっしゃるけれど


今回は、こおろぎ、時間とりすぎた。
無視して切って終わればすんだことだ。
やっぱり、戦いたかったんだわ、私。



写真はこおろぎの戦車!

じゃない、家の前の除雪に登場したかっこいい除雪車
まけないぞ、まけないぞ、正義は勝つのよロス疑惑

アー疲れた。
原稿書かなきゃ・・・。
もう勧誘電話がきても


「こちらは仕事もなにもしていない個人の家でございますが
お金も時間もない老人がぐったりと、しかも耳も遠く、目も遠く、
ボーっと暮らしておりますので、ごめんあそばせ、ゴホゴホっ」と
上品に切ることにします。学んだわ、私。