こおろぎススキノデビューか?

madam-cricket2008-02-18


本日食卓美学のお教室。
欲張ってどっさりな内容だったのでみなさんお疲れだったかも。
写真のかわいいパンのギフト作り。
ものすごくかわいい食卓になった。
サンドイッチの中身も
そりゃーもう、一味違ってチャーミングでした。


いつもは午後からタカギ先生のコミュニケーション塾があるので
大慌てで終わるのだけれど、今日はちょっと余裕があって
お喋りにも花が咲いた。
こおろぎの古着はどこで買うかとか
子育て論、楽しかった。
それにしても皆さん素敵。


午後仕事をしてから明日の準備に18時から買い物。
あれこれ買って、今日は一人の夕食なので
コロ介がアレルギーなので普段は食べられないお蕎麦。
ススキノの某大型スーパーの地下で食べていたら
隣の席で年配のおしゃれな女性がこちらを見て微笑んでいる。


最近よくテレビで見てます・・応援してます、という方が増えたので
そういう方かもしれないので、こちらもにっこり笑って応えていたら

帰ろうと立ち上がったとき声をかけられた。


「これからお仕事ですか?」と不思議な質問。
「いいえ、家に帰ります」
「ちょっとお時間ありませんか?」
??????
テレビのファンだったら困るので無視もできず
笑顔で質問。
「時間はありませんがなにか?」と聞くと
「ぜひ、あなたにお手伝いしていただきたいことがあるんです」
?????????
「なんのお手伝いもできませんし、お力にはなれませんが
なんでしょう?」と丁寧に聞いたら
「私のお店を手伝っていただきたいの!」
?????????
興味津々。
「失礼ですが、お手伝いできるようなことなのでしょうか?
どうして私なのでしょうか?」

好奇心の塊のこおろぎは目がキラキラしちゃったと思う。
犬なら猛烈に尻尾振ったと思う。アー、人間でよかった。


「ワインのお店やってるのよ」
「どちらで?」
「○条△丁目」
ススキノのマンなんかじゃないの。
「50年やってるのよ。世界中回って集めてるの。」
彼女の笑顔が素敵で、怪しい人でもなさそうで
かつ、私をあまりに褒めてくださるのでついつい
いい気になって話し込んでしまった。
外国のお客様が多くてとても楽しい店なのだけれど
人手が足りないので人探しをしているのだとのこと。
ずっとこおろぎをみていて 
つまり卵とじ蕎麦にどっさり葱とテンカス入れて七味唐辛子山のようにかけてズルズル音をたてて、王さんのお嬢さんにきらわれそうなほど
下品にお蕎麦たべてたこおろぎをじっとみていたという。
久しぶりに素敵な人を見つけたと思ったのよ、と笑った。

もう一度書く。

久しぶりに素敵な人、素敵な人、そう、素敵な人を見つけたとのこと!


ね?足もとまろうというものでしょ。

50年、ススキノで人を見てきて、
「奥さま(こおろぎのこと)はめったにいないタイプの女性です。」
ってさ、ってさ、ってさ!


とにかく素敵だとこれだけ褒められたのは生まれて初めて。


お店のチラシをいただいた。
ベストプレイスでワインの店50年。外人が多くて
世界中のワインをそろえているとのこと。

「お手伝いはできませんが今度夫とうかがいます」と言うと、
「ぜひいらして、手伝ってください」とのこと。


みなっサーン、こおろぎはとうとうススキノデビューします。

場所はいえません。
きっとデビューします。


こおろぎはかつて2度、こんな機会を得そうになったことがあります。
若い日、婚約解消して留学もだめになり、傷心で札幌にもどって北大に通い始めた頃、まだ元気にススキノを飲み歩いていた父とよく遊んであるいたのだけれど、父のなじみの店でピアノ弾きする話がまとまりかけたことがある。
家庭教師に疲れていたので、ママさんがアルバイトしないかと誘ってくれた。
父もおもしろがったけれど、日程の都合で叶わなかった。


二度目は離婚後。東京で生きていこうと思ったころ、
ある大企業の役員さんがこおろぎの心配をしてくださり、
たまたま連れて行ってくださった銀座のお店で
カウンターにいるだけでいいから手伝わないかと薦められた。
条件は2ヶ国語堪能とピアノだった。津軽弁と秋田弁じゃだめだけど、
あの時は東京移住に失敗したので話しは流れた。


で、今回このトシでのスカウトですよ、スカウト。
聞けば彼女78歳。とにかく美しいマダム。
おもしろい。
ちょっと落ち着いたら一度あそびに行ってみよーっと。
外人さんのたまり場だというからキキも喜ぶかも。

ママとコロ介に
このトシでススキノでワインバーで働かないかとスカウトされたと
自信満々で言ったら
お客はみんな80〜90代じゃないかと笑われた。
悔しい。


いいじゃないの、昼間は教授、夜はススキノ。
風俗文化の調査には最高ってもんよ。


それにしてもよ、ボロボロのこおろぎの何がどう
「素敵」だったかが疑問。
彼女78歳、相当目が悪いのか。
ユニクロの黒のタートルに25年前のサンローランのフレアースカート、
ブーツは絶対に30歳以上の知性のある女性は履いてはいけない
エナメルの膝まである編み上げ。
こんなブーツ、女王キャラの西岡すみこさんか、杉本彩くらいしか
履かないとおもう。どんなに安かったとしても
こおろぎの年齢で履いてる人は多分日本にはいない。
そんな逮捕されそうなブーツにコートも黒。
バッグは20年前のロエベの銀。イアリングは
アビステの5年前の福袋の安物。
ネックレスはお気に入りの雪の結晶。これは
おもちゃだと思ってる人も多いけれど
ベルギーのデザイナーモノ。30回払いで買った。
ペンダントトップは高いのにチェーンは
キティチャんのペンダントのウソプラチナ。
グダグダに疲れてたのにね。
多分、そのお蕎麦やさんに何枚も掛かっていたこおろぎの好きな絵を
しつこく何度も観ていたからかも。


ま、嬉しいお話よね、人生、どこで素敵な出会いがあるか
わからない。


ココシャネルがね、
人生、次の曲がり角で人生をかえるような素敵な出会いがあるかもしれないから絶対に気を抜かないで装って、背中を伸ばして暮らせ、というような
ことを書いていたような気がする。

全くそのとおり。

こおろぎは78歳のマダムとお蕎麦やさんで会った。
マダムの夢に付き合うかもしれない。
付き合わないかもしれない。
それはどうでもいいのだけれど、

あなたとお話がしたい・・と言っていただけるだけ
幸せってもんよね。


さて明日も朝5時からお弁当作り。
コロ介、入試。もう度胸すわっちゃって平気。
今日見学に行ってきて
曰く
裏山に、注文の多い料理屋がありそうな、
迷子になったら塩とバターで食われそうな
その裏には7人の小人が住んでいそうな
雪道にはトトロの足跡がありそうな
ド郊外で、あまりの遠さになきそうになったとのこと。
ま、お友達と仲良く楽しんで試験うけてきてね。
カーさんはお仕事ですから!


朝5時からのお弁当、がんばります。


それにしても今日のレッスンは素敵だった。
そして78歳に絶賛されたこおろぎは
とてもとてもいい気になっている。
この勢いで何日か乗り切れそう。
恥ずかしいほど単純。

みなさん、そのうちススキノのワインバーで
こおろぎ探してください!うふっ、うふうふ・・・