揺れないということ

madam-cricket2007-12-20


ワインレッドの百合を使うと決めたとき、
食卓美学のクラスの3人はこのテーブルクロスを迷わず選んだ。

白いデンファレも、何種類もの針葉樹も、
迷わず選択された。


こういうひらめきの重なりは嬉しい。
四角錐のキャンドルも同じワインレッド。

完璧な準備。

でも食器や小物の準備は前夜の仕事になった。

当然真っ白い食器。紅茶やお菓子の箱も・・・
そこに温かい紅茶の香りが広がるように・・・
それが私たちのデザインなのだ。


花を生けることだけではけしてない。


本当にそこでお茶ができるかどうか。
その紅茶は美味しいかどうか、なのだ。


ざっくりと打ち合わせてIさんがほぼ完成した
お花を持ち帰り、当日朝タクシーで運ぶことになった。


さて、朝、会場に現れないIさん。ほどなく電話。
タクシーに乗るときオアシスが壊れたという。


そういうことは起こりうる。
大丈夫だと思った私も甘かった。
用心に用心を重ねるのがプロ。
反省は大きい。
Iさんと待つ仲間に余計な心労を与えてしまった。


だが美しい和服で登場したIさん、慌てることもなく、
待っていた仲間とあっという間に完成。
Tさん、Sさん、一晩でそれぞれがイメージした
器や小物を配置。
電話のやり取りだけで実に品のよいテーブルができあがった。


基本的なところで揺れなければいい。
予定と違っても、
何かハプニングがあっても、
基本的なところが揺れなければ
作品の形が違っても問題などない。


その場合、揺れてはいけないのはイメージ。
慌てて、伝えたいイメージを変えては絶対にならない。
限られた時間で完成させなければならないとき、
サイズが小さくなってもいいから、揺れてはならない。


やはり白い和服のTさんは、まっしろい割烹着姿で立ち働いた。
いつものシックなスーツのSさんは、普段どおりの落ち着きで
てきぱきと仕事を続けた。



共同で作品を作るーというのが私のやり方なのだが
それが実を結んだと思う。


カジュアルで楽しげで、それでいてシックなティータイムが完成した。



さて
ヨーロッパのキキからは時々メールが来る。
電話はうまくつながらない。
「今パエリア食べた」という小学生みたいなメールが来てがっくりきたが
無事で何より。
先ほどは写真付きでメールがきたから大いに喜んだら
やっぱりキキはどこにいてもキキ。
高速鉄道でアンダルシアに向うということだけど
待合室でお茶でもしてるのかしら
食堂風景。
でもねー、北海道文教大学の食堂にも見えるし、北大の中央食堂にも見えるし、
デパートの食堂にも見えるのよ、それが。誰も写っていない。料理もない。
キキさー、せっかく海越えて写メール送るんなら、スペイン語背景にかあさんの大嫌いなブイサインでもした写真送れないもんかしら。
このズレがどうにも不思議。
ま、元気らしい。


こおろぎは本日、S−K大学というところに行ってきました。
こおろぎに授業をご依頼くださったのです。
ホームページで判断されても困るので
一度お訪ねしたほうがいいかと思って行ってきた。
来年度、こおろぎの周辺はまたきっと変わる。
たくさんの学生さんから刺激を受けて、こおろぎも
どっさりお勉強しようと思う。
お教室の内容と進行に役立てたい。


もうすぐこおろぎの誕生日です。
お祝いの気持ちは形にしましょう。
気は心ではありません。
気は形です。


揺れないで、
こおろぎも揺れないで仕事しようと思います。
と、いいながら、わけあってローマの休日をコロ介と見ています。
コロ介と顔を見合わせて、
お互いに、どこがどのようにオードリーと違うのか言い合ったのですが
決定的に、鼻と眉。さらに目。もひとつおまけに口元。


まだこおろぎのほうがオードリーに近いと思う・・・と言ったら、
コロ介は
大きな勘違いだと主張。
コロ介はコロ介で、髪を切る前のオードリーの黒髪は自分に近いと主張。
ああ、ぐあああっ、なさけない母娘の会話。
なんの生産性もない。
大昔、太古の大昔、こおろぎにお見合い話がどっさりあったころ、
ミツコちゃんはヘプバーンに似てるわねえ・・・と言ってくれた
いけばな教室の先輩がお一人いた。かなり目の悪い、高齢のマダムだった。
あれは生涯で最高の賛辞だった。
でも思えば、着るものだったかもね。こおろぎは未だに1950年代のファッションを
最高だと思っている。そうか洋服が似てるってだけだったか・・・。


明日は明日で大仕事。
コロ介、私たちの顔の構造は大変な配置ミスと構造上の欠陥があるってことなのよ。
化粧や、顔面体操や、エステやジムではどうにもならないってことよ。
大きなブスが小さなブスになるだけで、ちょっとこぎれいなブスになるかもしれないけど、コロちゃん、ローマは休日だけじゃないのよ。
ローマの華麗なる平日をめざしましょう。
不憫だわ・・・コロ介の平らな横顔・・・・