美しい手 その2 おヨネ復活

本日は時間を追って実録とします。一仕事したら書くことにします。
そのことで追い込まなきゃ不可能な1日なのです・・・

10;15

今日の「美しい手」は「働く手」
東京のレストランを飾る一こま。
いつものように時間制限あり。
共同作業もいつものこと。
共同で1つのものを作るのは至難の業だけれど
他者の技術や感覚を肌で感じて
予想を超える前進がある。


普通は悩むデザインもあっというまに出来たのだけれど
ほら、こうしてみんなの手が一生懸命。
あら、このド派手な手、誰の手?



12月11日、本日こおろぎは奇跡の人。
朝から風邪気味。家中はひどい散らかり。
頭も散らかり。
心も散らかり。




昨日、期せずしてお二人の親しいお友達から
しばらくおヨネさんが登場していなくてさみしいです、というメール。
そうだわ、おヨネがきていない。だからだわ。
おヨネは こおろぎ型ロボットのお手伝いさんなのです。
荒井先生のご自宅にはお手伝いさんがいる、と思い込んでいる人もいて
ぶっ倒れてしまったのですが・・
ま、確かにいますよ、おヨネ。外見は全くこおろぎですから。


さて、お待ちかねのおヨネが奥様の一大事と登場しました!
ジャっジャジャーン!

いやあ、働く働く。そうしてもらわなければ今日締め切りの
お正月の新聞記事用撮影など不可能。
コロ介の学校の面談も不可能。


「奥様!なんです?この本の山!全部捨てます!」
おヨネが叫んでいます。
「ダメ!」
「3ヶ月触ってない本の山は全部処分」
「ダメ、必ず使う!」
「なにいってんですか!人生限りがあるのに、次々雑誌は出るし
捨てます!」
「ヤダ!」
「なら帰ります、さようなら」
「ちょっと待て!」
「捨てていいですか?」
「じゃ、私が選ぶから」
「あのねえ、一冊ずつここにいたって開いて眺めてどうなさるんですか?
   去年の家庭画報がどうして必要なんです?」
「必要なんだもの」
「そもそも、10歳若返る美容法・・系の記事が多いんですど!
論文に必要とは思えませんね!」
「いいこと書いてあるよ、おヨネも読む?」
「読みません。捨てます」
「あのさ・・こうやってストレッチして顔面体操してね、この化粧品でさ・・」
「奥様、おことばですけど、奥様は着々と年をとってますから。
10歳若くメークしたところでどうにもなりませんから。
で、サイエンスやってるのに、どうしてこんな化粧品の怪しいキャッチコピーに
ひっかかるんです?おヨネは情けないです・・」
「スミマセン・・」


大変だ、おヨネが怒っている。当たり前だ。キッチン3箇所、食器の山。
洋服は全部でてるし、引越し前夜状態。こおろぎは風邪気味だし、
材料集めもあるし、買い物、銀行・・・おヨネの言うことを聞くことにする。
次は何時になるかなあ・・・ーつづくー


13 :45
おヨネです。
この家の奥様には呆れはててます。
2階のキッチンには数日前のカレーの鍋がそのまま。
珈琲カップも10個はシンクにそのまま。
書斎は歩くところもありません・・というのはいつもなのですが
「あら、おヨネ、手伝うわ・・」という感じで
奥様がキッチンに入ったのが間違いでした。
ひえーっという悲鳴が聞こえたのと同時に
咳き込む奥様、そして私おヨネも、目をやられました!

あんな奥様どうなってもいいのですが
不細工シスターズその2のコロ介お嬢様の懇談が午後。
新年の新聞用にあれこれバタバタしていた挙句の悲鳴、
古くはサリンか、劇薬か・・
と思ってみると、
ああ、ああ、どういう理由でこういうことをするのでしょうか・・

なぜゆえ、毎日キッチンを片付けないのに
この「クソ」忙しいときに、なにゆえ
豆板醤のビンを洗う必要があったでしょうか!

「なせ、びっしり入っている豆板醤のビンに水を勢いよくいれたのですか!」
「だって」
「ほかにたくさんたくさんたくさんたくさんすることがあるのに
どういう理由でどんな思いで豆板醤のビンなのです?」
「冷蔵庫に入ってなかったから、捨てよっかなーって思いました。」
「思いましたではありません!」

びっしり入った豆板醤のビンに勢いよく水を入れたので
飛び散った唐辛子ミソの匂いで目も喉もひりひり。

この奥様、アホですわ。
キッチンは汚れるし。
さっさと顔洗って、テーブルスタイリング考えて
コロ介お嬢様の学校に行っておくれやす・・(あきれ果てて京風)。
よく今まで無事に生きてきたなーと私、おヨネは不思議でなりませんー
ーつづくー


18:54
おヨネです。奥様、コロ介様の学校から戻ってうなだれてます。
この時期、お察しいたします・・・


が、それはそれ、これはこれ!この家の食器の量は異常です。
50人同時にフルコース可能です。いや、100人かも。どこにもここにも食器。
聞けば函館にもあふれ、函館はベランダにも積んであると聞きます。
もう疲労困憊。うなだれながらお正月のテーブル作りに苦しんでいる奥様がお気の毒ではありますが、これもすべて奥さまの身からでたサビ。自業自得。
天罰。ザマーミロ。おヨネはもう今日は帰ります。
プンプンに怒りながら、あきれ果てて帰ります。
それにしても中学から戻ってからのうなだれ方と、お仕事しながらのうめき方、
なかなかの見もの。お気楽こおろぎの意外な一面・・と、うっかり同情すると
どこまでもつけあがり、甘えるので一切同情無用。
プンプン!
―つづくかも―