師走

madam-cricket2007-11-28


本当は今頃JRの人・・・の予定だったけど
大学のあと気がついた。東京のクリスマス用に材料や道具を発送しなければ
間に合わない。


バタバタバタバタ帰宅して
針葉樹をどっさり荷造り。
わが家の狭い庭の木々ではたりず、
ご近所の木もばっさり切っていただいて
あれもこれも荷造りしたらぐったり。
ホント、モノづくりの仕事というのは
この準備と片付けの繰り返し。
この労力を惜しむヒトは絶対に伸びない・・・
絶対にいい仕事ができない・・・・




とでも思わなきゃやっていられないほどの大仕事。



荷物を出したらふらふら。その騒ぎに巻き込まれたコロ介とママは
手伝おうかと何度も言ってくれたけど
ありがとね、こおろぎしか出来ないのよ・・。



というわけで予定は刻々と変わる。


そんな中見つけた時間、
写真は先日夜の大通り公園のミュンヘンクリスマス市の
1コマ。イヤー、可愛い黒柴クンたちでした。
会場の人気独り占め。っていうか2匹占め。
黒くてムクムクしたものを囲んですごい人だかり。
もしかしたらペンギン?と家族で近づいたらこの2匹。
とにかくおりこうでおとなしくて動きがチャーミング。
シンクロして動くのがまた可愛い。
古くはザ・ピーナツとかこまどり姉妹
ちょっと新しくてリンリンランラン・・・
飼い主さんの言うことをよく聞くし、甘え上手。
ペットとしては最高の仕草。
ちょっと移動したらまた人だかり。
子犬でもないのに「かわいい!」コールがあふれていた。



あらためて可愛いとはなんだろうかと考えてしまった。
黒柴黒柴の顔なわけで、特別な顔ではない。
やっぱり動きか。ムクムクさ加減は満点だったけど
この程度のムクムクはどこにでもいる。
3歳とのことだから立派な成犬。
やっぱり賢さと動きだわね・・・。
人なつこさと。飼い主さんの教育の賜物だわ。
ただ歩いているだけで飼い主さんご夫妻が前に進めないほどの人だかりになっていた。


カメラを向ける人がいると
ちゃんと座っておとなしくしている。



で、こおろぎも順番を待って撮影をお願いした。
でも「ふーちゃん」と「りんちゃん」兄弟(一緒に生まれたとのこと)
は、右のママ、左のパパの顔を
見上げてじっとしてくれませんでした。
「このオバサンに写真撮らせていいんでしょうか・・」とふーちゃん。
「かなり怪しいオバサンですけど・・」とりんちゃん。


豹柄のブーツが怪しかったでしょうか。
皇室の追っかけカメラマンのオバサンみたいな動きだったでしょうか。
「ヒヤーッ可愛いっ!」という声がデカ過ぎたでしょうか・・・。
ごめんなさい。



同行したカブトムシがうらやましそうに言った。
「あの子たちは生まれた時からずっと
可愛い可愛い可愛い可愛い・・・と言われ続けてるんだろうなあ・・・
これからもずーっと兄弟そろって可愛い可愛いって言われていくんだろうなあ・・
不公平だよね・・」


カブトムシに悪気はない。
でもねえ・・・

いっしょに「可愛い可愛い、やっぱり黒柴がいい!」と笑顔だったシスターズが
突然ムッとした。



「いいよね、あの子たちはみんなにチヤホヤされて生きていくのよ
これからもずっと」
と一人が言えば
「ま、いいんじゃないの?かわいく生まれたんだから!」
ともう一人。
「お腹いっぱいだけど、ソーセージとアップルパイとココアとポテト!」


不細工シスターズ、マサカの嫉妬で大食い。可愛い子たちは「可愛いコール」で
どんどん可愛くなり、可愛くない子はどんどん可愛くなくなる・・・


格差社会はココにもあった。


こおろぎは正念場の大忙し。でも街角でワンコを見ると
どうしても見入ってしまう。
去年のクリスマスはケンケンがいた。
ずっとこおろぎの膝の上にいた。
どんなに寒くても真夜中、何度もケンケンを抱えて外にでた。
外に抱いて出ると吠えないのが不思議だった。
生まれた時から14歳まで外で飼っていたからかしらね。
冷たい空気に触れると目をキラキラさせた。
寒かったなあ・・・。
ケンケン、雪ですよ・・と話しかけながら
ムートンのコートにしっかり抱いて真夜中1時、3時、5時と
町内を歩くわけだから
かなり変なオバサンだった。


すぐ近くの主治医の先生が愛犬を亡くされた。
昨日、お会いした時
しばらくお散歩姿をお見かけなしないのでおたずねしたら
9月にいくつもの大病が発見されて1ヶ月で亡くなったとのこと。
お気の毒でならない。
大きな大きなエド君は、きっと天国で、むじかちゃんの愛犬セーラちゃんと、ケンケンと元気に走り回っているの違いない。


ケンケンが亡くなる1週間前、病院からタクシーで連れ帰ったとき
先生が声をかけて下さった。
「立派だなあ、ケンケンは立派だなあ・・」と
何度も撫でてくださった。
すばらしい生命力だと、幾度も褒めてくださった。
あれは1月の末、やっぱり寒い日だった。


まさか今年、先生も愛犬を亡くされるとは誰も予想しなかった。
まだ立ち直れませんよ・・・とおっしゃっていた。
当然である。
ご一家で1ヶ月、付きっ切りの看病だったとのこと。大型犬なので
大変だったと思う。
ケンケンは11キロが最後は5キロ程度だったが完全に動けなくなってからの
1年半は大変でなかったといえば嘘になる。
だがあの時間は貴重だった。


フーちゃんもりんちゃんも可愛い。
だけど、ケンケンに会いたい。