赤毛のキキ
本当に騒々しい１日だった。
午前中は重なる雑用に仕事が加わった。でもお昼、懐かしいお友達からの電話で
すっかり元気になったところに、キキン太が元気よく「ただいまーっ」。
一人暮らしの彼女、顔を見ないで数日、というのにもすっかり慣れてしまい、
「あら、こんにちは、あいかわらず・・・・ねえ・・」というと
「大変大変大変！時間ない！」といきなり床に何かの説明書を開いて読み出した。
「何？何何？！」
なにかおもしろいことが始まるに違いない。
ワクワクっ・・・
「染めんのよ、髪」
「染まってるじゃん」
「違うよ、真面目な色に染めんのよ」
「真面目な茶色じゃん」
「もー、うるさいっ、時間ない！」
そこんとこをしつこくきいたところ、病院実習だかなんだかが午後あって
友達みんなにその髪の色じゃ、看護婦さんにイヤミ言われるよ、と言われたってことらしい。びっくりだわ。そんなことにびびるキキちゃんじゃないのに。
そもそもモンロー色の看護婦さんもたくさんいるのに。
でも言われなくてすむイヤミは避けようというキキちゃんの処世術。
これはこれで立派な判断。
かつてキキの通っていた鬼百合学園の普通科には金髪茶髪がいっぱいいたけど
クラス対抗の合唱コンクールにはみんな真っ黒い髪だった。
あれはスプレーだったと後から聞いて仰天した。
いろんな手があるのに、すでにキキン太、洗面台の前でデッカイマスカラみたいなもので染め始めている。
「キーちゃん、紫だよ・・・そのチューブ・・」
「これがアールグレイ！」
「アールグレイって・・」
「黒にするんじゃないの？」
「ださいじゃん」
「真面目な色って言ったじゃん」
「黒はないでしょ」
「だから、もしかしてアールグレイってグレイだと思ってる？」
「あ・・・・、違うか・・・、でも見本はいい色だったからいい！」
後ろ側に塗れだの、頭頂部に塗れだの命令され、
大忙しなのに手伝うハメになった。
紫のチューブを塗ると、緑色に光る。不安不安不安！大いに不安！
「キーちゃん、赤毛のアン、知ってる？」
「知ってるよ、緑になっちゃうんでしょ、赤毛染めて」
不安不安不安。私も彼女も自宅でそんなことやったことないのに、
なんだ？この「いきなり感」。
多分、私の周囲の人たちは、私を見て、いつもそう思って来たに違いない。
みなさん本当にすみませんでした。
さてキキ、
紫イロっぽい緑っぽい、不思議な色のままお昼ご飯を食べながら
「ほんとにアールグレイ色になるかなあ・・」とキキ。
「そもそもアールグレイ色って茶色だし・・・」と私。
「うまくいった人いるから売ってるんだろうから、やってみないとね」
「失敗したらどうするの？」
「急に下痢するとか高熱出る」
やっぱりアホだ。
時間が来てシャワー終えた彼女の頭を見て絶句した。
「ねえ、これ、アールグレイ色に見える？」
「そもそもアールグレイ色がわかんないし」
「どう？」
「光ってるよ・・・」
「前と違う？」
「違う・・・かも」
「どう違う？」
「前よりずっとピカピカ光ってるけど・・」
「あ、・・・・・・ああああ・・・」
「何？何何？」
「黒い髪の人がアールグレイ色になるんだ・・・」
「は？」
「だからあ、私みたいにしっかり美容院で茶色にしちゃってる髪はもっと茶色になっちゃうんだよお！」
「生まれつきだって言いなさい！」
「どう説明すんの？・」
「遺伝子の都合でって」
「無理だよ、相手看護婦と医者だし」
「ハーフだって言いなさい！」
「無理だよ、この顔だし」
「母親がフランス人とフィリピンのハーフで父親は不明だといいなさい！」
「無理だって・・」
彼女は諦めが早い。潔くて惚れ惚れした。
結論。ピッカピカの金髪になったキキは、
「もーいい！意地悪な婦長さんにいじめられたら、うなだれるか倒れる！」
いやあ、ハリケーンのような１時間だった。
それにしても彼女は凄い。いつも思うけど、どこからその力出るんだろうか。
貧乏なのに彼女、髪だけは手を抜かない。小金集めては気に入ったちょいと安めの美容院で吟味に吟味を重ねて染めている。それなのに・・・
突然、いかに病院実習だとはいえ、無謀にも自分で髪を染めようと思うこと、あっという間に実行すること、失敗しても慌てないこと、元気よく再出発すること・・・・って、これ、どっかの誰かにちょっと似ている・・。
キキは日照りの畑のとうもろこしの
ボッサボサの髭みたいな頭で自転車こいでとびだしていった。
幸あれ！
さてここで問題です。
話かわって今日の写真。
次の問いに答えなさい。
問１：ラーメンに見えるものは何か答えなさい。
問２：コロッケの中に見える黒い具は何か。
問３：右上のお饅頭の中のピンクの具は何か。
本日のHTBイチオシをご覧の皆様はおわかりのはず。
番組ではいろんな試食をしたけれど、この３つは美味しかった。
番組も全員で大騒ぎだった。
北海道以外で全問正解した方には
偉いっ、とこころから賞賛の言葉をご用意しています。
正解は明日の日記で・・・。
