切れたこおろぎ

とうとう切れた。イイトシをして某所で大暴れした。
あらそうですか・・・と言うこともできた。
へー、そんなこと平気でできるんだ・・・と聞き流すこともできた。


だけど、何にも属さない、フリーの、一匹こおろぎ、せっかく一匹で生きてるのだから、思い切り無礼な人にはちゃんと「貴方は無礼です」「貴方はまちがっています」と言ってもいいのではないかと顔を見ていたら確信してしまった。
詳しくは面倒で書けないけれど、こおろぎよりイイトシをして、仕事を遂行できないことの責任を取れないこと、そしてそれを詫びる潔さがないこと、詫びるふりをしながら、どこかふざけていて基本的なところで女性蔑視が明確であること、曖昧に穏便に終わらせてすべてなかったことにしようとすること・・・、等等、話してもどうにもならない相手に切れた。周囲は相当困惑したと思う。でもね・・



サラリーマンは言えないと思う。どんな上司がいても、どんな同僚がいてもみんな我慢する。そこは一匹こおろぎ、代わって言ってあげましょう・・・。そんな気にさえなってしまったのだ・・。



その夜はカブトムシと食事。ワインで気分を直した。こおろぎのあまりの激怒ぶりにチキンハートのカブトムシもつられて大声。狭いイタリア料理店にアホ夫婦の大声が響き渡ったのでした・・・。



世の中には本当にずるい人間がいる。人間だから間違いもすれば失礼もある。だが、失敗したらきちんと謝罪し、責任の所在を明らかにして訂正すべきである。そんな当たり前のことをしない人がいる。コムスンミートホープ年金問題、大臣の失言・・・大きな話題をテレビの向こうに見ていたら、こおろぎの目の前にも無責任な相手が登場した。こおろぎの大抗議の大声が某所に響き渡ったのでした・・・。いつかこおろぎが偉くなったら書こうと思う。そう、いつか偉くなったら書きたい奴がこれで5人目である!



でも悔いはない。
こおろぎがあれほど抗議しても彼はわからなかったと思うが、
どんなになだめてもおさまらない「女」がいることは分かったと思う。


あーっ、思い出しても腹が立つっ。ふっざけんなよーっ。



30日は三角山放送の「マダムこおろぎの不機嫌な食卓」の第2回目だった。ホームページで告知するのを忘れた。
ここでもこの大喧嘩の話からスタートした。
音楽は直前にわが家で選択。本音のこおろぎが喋りだした感じかもしれない。
番組を聴いて、どんな人が喋ってるのか見にきました、という人がいた。
担当のカズミちゃんは、こおろぎの義母と実父の最期の晩餐の話に涙うかべて一生忘れないと言った。他のスタッフの方は車で聞いて爆笑したという。
いったいどの部分が爆笑でどこが泣けたのか全く不明。
でもカズミちゃんが言った。「こおろぎさん、いいわっ!」

カズミちゃんのひとことでこおろぎは救われたかもしれない。イイトシをして、あっちで大喧嘩、こっちでも小喧嘩。でもカズミちゃんが、そんなこおろぎだからいいと言ってくれた。ありがとね。3キロ痩せたというカズミちゃんだが、琵琶湖から水3杯とっても変わらないとご主人に言われたそうだけど、こおろぎもそう思う。カズミちゃんにとっての3キロは誤差のうち。そのバディーが醸すあたたかさを大事にした方がいい。3キロなんて快便3回でどうにでもなりそうな数字よ・・・。


内田じゅんこというイラストレーターをテレビで観た。すごい。
肉がどう処理されて食卓に上るかを描いて話題になった。今旬の女性。40歳。ただただすごい。「命」を見つめるのはつらいけれど、「命」を手にするときの緊張感こそ、こちらも生きている醍醐味。この写真は捨てることができなかった花だけを今日の午後集めたものだ。欠席があって残った材料だったが時間がなくて長くバケツに放置していた。力尽きて散り始めた。


切花も豚肉も同じだといつも思う。どう処理し、どう楽しみ、どうこちらの力にするかが、命をいただいた側の仕事なのだ。
わが家のバケツで誰にも注目されず、精一杯咲いた花たちをどう弔うか、頭かかえて生命科学を教えなければならないこおろぎは、今日はなんとなく胸いっぱいになりながら、かなり真面目に週末の花と時間をすごした。
茎は傷んでいるので短くするしかない。どうにもならない最後の姿だったが、透明感が出てきた花びらにはこちらの気持ちを劈く壮絶な美しさがあった・・・。ああ、今夜は哲学的・・・。



こころ優しい一週間をすごしたい・・・なーんてね。次回の三角山放送局の「マダムこおろぎの不機嫌な食卓」は7日12時からです!七夕なのでぜひ得意の「男と女」のお話を!というリクエストあり。ど、ど、どーすっかなー。