刺激


ぼんやりしている間に、アイディアはどんどん盗まれる。盗まれる、とは過激だけれど、そんな感じが時々する。ちょっと不快なことが続いた。


ぼんやりすることは大切だけれど、ぼんやりしすぎるのはやっぱり問題なんだわ。


午後、大通り公園を横切った。なんと美しい花壇。夢中で写真を撮ったら、写真を撮る私を撮ってる怪しいおっさんがいて大いに慌てた。女子高生に相手にされないおっさん、気分転換にオバサンを狙ったか。ドアホッ。


一枚のはがきが来た。Oという料理店からである。
東京からボスと仕事で来札した美人事務局長のお昼をお願いした店である。
お昼だけれど夜のメニューをお願いし、グラスの果てまでリクエストした。
こちらからお礼の電話をしようと思っていたら、先方から美しい文字のはがき。



「荒井様 いつもお世話になっています。お元気でしょうか。
先日は大切な方に当店をご紹介くださり、ありがとうございました。
十分なおもてなしを出来たか自信はありませんが、
どうぞ美人事務局長(とは書いていなくて、彼女の名前)様によろしくお伝えくださいませ。
また近々荒井様にお会いできますことを楽しみにしております。」


満点!すばらしいわ。大人の文字で端的。タイムリー。結局のところ食べ物屋さんならお料理がいいのは当然で、一流と言われるためにはこの心遣いがあるかどうか。
街も一流の街として育つには、やっぱり器としての建物があるかどうかではなく、人だということになる。


キキが4ヶ月ぶりに自動車学校に復帰。どうだった?と聞いたら、全部忘れてしまって、暴走の蛇行運転で、助手席の指導教官もキキも車を降りたときはふらふらで、自分の運転する車で酔ったんだって。真っ青。



味覚に素晴らしい才能のあるコロ介が紅茶を好むようになった。
今夜は某社のイングリッシュブレックファーストに素晴らしいコメントをしていた。処分しようと思っていたティーセットで一人悦に入っていた。気取って紅茶の入れ方をあれこれ講釈する人がいるけど、彼女のコメントにはかなわないわ。彼女、嗅覚と味覚に特別な能力がある。宝塚落ちたら、喫茶店開くか。



香港のデザイナーJohannna.hoの店の前を通り、あれこれ見て大いに刺激を受けた。こおろぎのようなトシになると着られる服などほとんどないのだけれど、いったいどんな発想でこんなデザインをするのだろうか。ヨージヤマモト、Y’s、コムデギャルソンに触発されることには慣れている。だがそんな刺激とは全く違う、ハチャメチャな刺激。
素材の割りに高くない。着こなせたらいいのにな、と思うものばかり。大バーゲンで3000円になっていたカーディガンを買った。着た感じも違う。
「いつも」と違うモノを観ることは大切。花のデザインにも食卓の演出にも料理のアイディアにも役に立つ。最近、花をさわることが多くなった。いろんな刺激が増えたからに違いない。



それにしても腕が太い。1リットルのお醤油を持って腕の体操を開始。スクワットの回数は増えた。見ててよ、○○百貨店の特選ブティック某社のパートのオバサン、36サイズのタイトスカートをきれいにはいてみせるから・・・。ニットのジャケットを細っと着こなしてみせるから・・・。あの日、「あら、お客様こんなに小さいのに意外と細くないですね・・あら、お客様小さいのに入らないですねえ・、ああ意外!」と「小さい」と「意外」を連発したカマキリ似のオバサン、こおろぎは生まれて初めて一ヶ月たっても気分悪いままです。どんな失恋しても3時間で復活してきたこおろぎが、なんとカマキリの一言で奮起して一ヶ月も悔しいまま。小さいながら健康な肉体を整えて、必ず近いうち、超ミニスカートにノースリーブで参上すっからね!カマキリ、逃げるなよ!釜を洗って待ってなさいよ!ああ悔しい・・・