ともだち

madam-cricket2007-04-15

新学期が始まり、新しい学生さんにどっさり会った。いいわいいわいいわ、今年は一段といい学生さんばかり。期待して生命科学の授業の初日、張り切って宿題。「ゲノムとは何か」。一言では難しいけど、そこんとこを何とか調べて理解して書いてみる、これが大学生としてのやり方だと思う。食生活論のほうではお子様ランチの絵を描いてもらった。ここ数年、毎年集めているお子様ランチの絵。今年こそまとめて一本論文にしようと思う。



金曜日旭川に行ってきた。中学校の副担任だった美奈子先生が還暦でご定年。赤いカーディガンとアクセサリー、花束を用意する係りだったので久しぶりに行ってきた。美奈子先生は新卒で初めて担任したのが私たち。年も近いし、きれいで素敵な先生だった。いつのころからか頻繁に開く同窓会の主要メンバーになった。


北海道教育大学附属旭川中学校バンザーイ!いくつになってもみんな優しい。みんなそれなりの歴史があり、苦労もしているはずなのに、とにかく優しい。いい奴ばかりなのだ。いごこちのよい空間。二次会は独身貴族で豪華マンション暮らしのカトー君ち。どんどん飲んで真夜中解散。そのあとホテル泊まりの私に付き合って、ユミちゃんもホテルへ。

中学高校通して成績1番だったユミちゃんは大酒豪ぶりも健在だったが、朝

「ミツコ・・・部屋にビールの缶があるんだけど・・・」
「どうしてこんなにお金残ってるんだろう・・」

ああ、しっかり者のユミちゃんが初めて見せたホッとする側面。
「ビールは私が買って、ユミちゃんが飲んだの!お金は ああでこうで・・・」
と立派に説明するこおろぎ。
40年間ずっとたよりない問題児だったこおろぎが、初めてユミちゃんの役にたった。
そうなんだわ、こおろぎは誰かがそばにいてくれるから、アホが増幅し、怠惰がひどくなってきたんだわ。あまりにだらしないミツコちゃんだったのでみんなが支えてくれてきたから、たよりないまま大人になったんだわね・・・。この朝、こおろぎは足し算も引き算もすばやくできて、記憶も確か。いやあ立派でした。




40年間ずっと優しく穏やかなユミちゃんと
ゆったりと朝ごはんして早々に札幌に帰ってきた。

そのJR,隣にドアホな子連れママが座った。悲劇だった!


1歳3ヶ月くらいの性別不明のベイビー。服装からボーイと判断。
このコは静かでウンでもスンでもない。心配になるほど静か。みれば顔立ちの凛々しいボーイだわ。ちょっと神経質そうで、もうすぐ会社員になりそうな風貌。庶務とか秘書室とかが似合いそうな印象。彼はいい。問題はなかった。

だがこの母親がうるさい。
「いい子でしゅねえ・・・ジューシュ飲みまちゅかあ・・・」から始まって
「ゴットンゴットンゴットン・・・しゅっしゅっぽっぽー」????


いまどき電化したJRがゴットンゴットン走ってるか?
しゅっしゅっぽっぽって聞こえるか?
それもずっと言い続ける。

食糧の自給問題の記事を読んで頭かかえていたこおろぎは爆発寸前。
凛々しい会社員風ボーイはじっと私を見ているのが気配でわかった。でも害はないから読み続けていると

「だめでちゅよー おばちゃん、お勉強してるんでしゅからねー」
「お外みなさい、あらあら、お家がきれーにならんでまちゅよー。だめだめ、おばちゃんの方見たら、おじゃましちゃだめだめ、ゴットンゴットンしゅっしゅっぽっぽーっ」



うるせーんだよ!


実にまったく、この母親、逮捕してほしかったわ。わずか80分。されど貴重な80分。
そもそもきちんと日本語しゃべんなさいよ、アンタの息子は今にも会社勤めしそうなムード。ジューシュどころか、ビールかチューハイ飲みそうなお顔ですから!


バカ親ぶりもいい加減にせーよ。周囲を考えなさいよね。コーユー親に限って、可愛い童話の読み聞かせなんかに熱中したり、幼稚園選びに奔走したり、音楽教室の指導法にも物申すようになるのよ。幼稚園などどこでもさほどかわないし、ジョーソー教育に夢見てるかもしれないけど、遺伝あってのジョーソーですから。


「人間は遺伝か環境か?遺伝的プログラム論」日高敏隆著 文春新書(これはこおろぎが文教大学の教科書に指定1冊)を読んで欲しい。親にないものなんて絶対に子供に現れませんから。DNAを越えることって難しいんですから・・・。



運動神経もどうかわからないのにサッカーだ水泳だと連れまわし、少しでも早く英会話教えようなんて、ジューシュだ、ワンワンだと赤ちゃん言葉使ってる母親が笑っちゃうわね。末はどっかのロースクールで学んで・・と夢想してるんでしょうけど、あっさり12歳くらいで息子に裏切られますから!ミュージシャンになるとか言い出して口もきいてもらえなくなりますから!21歳くらいのときには、容認できないほどスッゲー女の子連れてきて、できちゃった結婚許しえくれ、と懇願。だめだといったらそのまま家をでて生涯、鬼嫁で苦労するに違いない。ザマーミロ!



私の貴重な80分をずーっとゴットンゴットン・・・と邪魔しつづけたらそれくらいのたたりはあるかもよ。

でも途中で10分ほど静かになった。恐る恐る見たら、かあさん、デッカイ口あけて寝ていた。見ると膝の上の会社員は申し訳なさそうに私のほうをじっと見ている。
ああ、かわいそうだわね、君も。にこっと笑ってみたら会社員も大人っぽくにっこり。苦労するねえ、アンタも・・・と思ったら彼に免じてこのうるさい母親をゆるしてやることにした。見たらペコちゃんのバンダナを首に巻かれている。暑そうだからとってやり、無防備で無神経なかあさんの満開の口に詰めてやりたい衝動をぐっと抑えた。実に理性的なこおろぎだった。