修行

madam-cricket2007-03-30

ウオーミングアップの2月3月。脚が6本のこおろぎは、全部の脚があたたまるのにずいぶん時間がかかっている。ここ2年のちょっとした「休眠状態」は看病、介護という理由はあったものの、こおろぎ自身にかなりのリハビリを必要としている。



毎週東京だった。東京ではいろんな刺激をうけるけど・・・
そうねえ、最近一番おどろいたのはTホテルの朝のこと。


念のため、Tホテルは帝国ホテルではない。T−横ホテルである。
レディース会員になったばっかりに、その安さに感激してときおり泊まる。
朝ごはん本館はおむすび4種類とお味噌汁と漬物、隣の新館はパンの食べ放題。


こおろぎは、おむすびにしよっかなー、クロワッサンにしよっかなーと悩んで今回は
おむすび食べ放題の本館に泊まった。朝9時半までにロビーに行かなければアウト。
前回は9時32分に行ったため、目の前で下げられた。悔しくて半日気持ちが暗かった。


今回はおむすび3個食べるぞと張り切ってロビーに行った。
美味しい。情けないけど、お味噌汁もおいしい。



今度は新館に泊まってクロワッサンを食べよう・・と思っていたら、
隣のテーブルのオバサンがバッグから何かを出した。見るとクロワッサン4個!!!!



こおろぎは本当に驚愕した。世の中には大きな事件がたくさんある。悲しいできごともどっさりある。格差社会少子化も大変だけど、T横ホテルの朝、こおろぎは動揺した。


おむすびかクロワッサンか、それは本館か新館か、で決まると思っていた。
まさか、まさかである。本館に泊まりながら、隣の新館にクロワッサンを取りに行き、おむすびもクロワッサンも両方食べる、という手法は思いつかなかったのだ。
細いとはいえ道路を渡ってクロワッサンを素手で持ってくるなど、考えなかった。だったら、新館に泊まりながら道路を渡っておむすびを取りにくるオバサンもいるってことか。いるに違いない。なんという発想、そしてその努力!完敗です・・・。



オバサンは目の前におむすび4つとお味噌汁があるのに、さらにクロワッサン4つを並べて満足そうに食べ始めた。その隣のオジサンが「足りるかい?」と聞いた。オバサンはコトアズマによく似ている。オジサンはミトイズミによく似ている。お似合いのご夫妻だった。


なんでも拾ってでも食べてしまうカブトムシに電話でこの話をした。貧乏学者のカブトムシもこのホテルの朝ごはんを知っている。きっとおむすび6個は食べるのだろう。
「隣のホテルからパンを持ってくる人がいる」と言ったらカブトムシも大いに驚いていた。ああよかった。「ボクもいつもそうしてるよ!」と言ったら離婚しようと思っていた。絶対に離婚だった。それほどの大問題だと私は思うのよ。これってお行儀とかマナーとか常識とか価値観の問題ではなく、美意識の問題なのだ。だからそこが違うともういっしょには暮らせない。あーよかった。不細工シスターズに次のお父様探すのはもう困難だもんね・・・。




このホテルの1階には「アクアクララ」のマシンがある。美味しい水である。仕事から戻って一杯飲むのは嬉しい。だが、その朝、こおろぎはここでも驚愕した。


若いお母さん、あんた、カラのペットボトル5本に水詰めるの、やめなさいよ!

どうなの?これってどうなの?
飲み放題だからいいさ。
ペットボトル4本分を飲む人をホテルはとめられないさ。

だけどさー。

これからディズニーランドに行くんだろうけど、どうなの、これ。
そもそも重いでしょうが!

何かと考えてしまった。こおろぎは甘い。実に甘い。
そうとうな修行を積んで生きてきたつもりだったが、道路渡ってまでおむすびとクロワッサンを両方食べることなど絶対に思いつかないし、毎晩ホテルの近くのコンビニに水を買いにいっていた。空いたボトルにタダの水を詰めることも思いつかなかった。
実に甘い。

だからこのトシになっても貯金もなければ、人生設計もたたないのだ。
修行が足りないのだ。カブトムシにもシスターズにもしっかり言っておこう。
人生、二者択一の場面でも、両方取ろうと考えよ!
ただのものなら何でももらえ!

でもなあ・・・・
見よ、この美しい食卓!渋谷の教室の2シーン。
人生、いろんな修行がある。こおろぎの修行を生かす場面もきっとある。


ホームページ改変会議は着々と案を練ってくれている。乞うご期待。
そろそろ6本脚もあたたまってきた。
軽やかに歩き出せそうよ・・・・。
そして修行修行・・修行あるのみ!