第3ボタン

madam-cricket2007-02-15

ケンケンの写真は数が限られている。どうするの?とシスターズは言う。その通り。ケンケンが子犬のころの写真もない。忙しすぎて、とても複雑な暮らしだったから、毎日毎日、ケンケンが元気なことだけ確かめて、写真を撮る余裕などなかった。あんなに可愛かったのに、家族が外出するときは、姿が見えなくまるまで立ち上がって犬小屋の屋根に飛び乗らんばかりに体を伸ばして見送ってくれたのに、あまり写真がない。この事実が私は一番哀しい。家の中で暮らすようになってからの写真ばかり。それでももういなくなってしまったケンケンの写真をまた載せるの?とシスターズはいうけれど、いなくなったからとすぐにステージから消すなんてできない。かわいい写真があるかぎり、戦闘記にときどき登場してもらおうと思う。今日の写真は猛烈に眠くて耳が離れている。お気に入りのタオルでウトウトしそうな昼下がり。平和な時間だった。


このあいだテレビで家相だ風水だと電話相談している番組があった。相談にのっていた女性風水屋さんは相談者に「あら、その家だめですね」と一言。どうしたらいいでしょう、と司会者が聞くと「リフォームしかありません」だとさ。あきれていたこおろぎだけど「家の真ん中に階段があると運気が逃げる」という一言でドキっ。こおろぎの巣は狭い敷地に細長く上に伸びている都合上、階段は真ん中。ドキドキ。
そしてあわてた自分にさらにドキドキッ。


これはまずい、心が弱ってるわ、私!
占いだの風水だのに無縁なはずなのに、つい先日も運勢の話に耳が傾いた。まずい、実にまずい。
大慌てでインターネットで風水を調べる。すぐに「くたばれ家相・風水」というタイトルに遭遇して、一瞬で解決。風水は2次元、建築は4次元。あたりまえの話だった。面白く読んでしまった。そこでおまけの情報もたくさん得た。「博士」を名乗るスゴイ人たちの話も登場していたのだ。海外で博士号を売っている話は有名だけど、風水で著名なあの人も、奇妙なウオーキングのあの人も、みんな買ってきた学位とのこと。
W大学のY先生も洒落で買ってしまったというし、なんだかなあ・・・。
7年もかかって体こわしてぼろぼろになって博士になったこおろぎとしては、不満だわね。
でもまあ、そんなビジネスもあるってこと。平気で利用して仕事してる人がいるのが現実。ウオーキングの彼に関しては、以前、どんな論文書いたのか見たくて、そしてどんな理論であの歩き方を指導しているのか、体に悪くないのか知りたくて調べていたとき、何一つ理論がみつからず、もちろん論文もなく、彼の学位と勲章が売られているものだと分かった。あのひとも、あのひとも、あのひとも・・・買っている。困った世の中だわ。マスコミが持ち上げちゃったらみんな信頼するけど、保証のない知識が広まるのはコワイ。


風水や家相には、なかなかうがった提案や、経験によるよい示唆がたくさんある。文化として評価できるものもある。だけど、○○だから病人がでるとか災いがあるとか、リフォームしないと不幸になる、という脅かしはだめでしょ。なんのために人間勉強してきたのかしら・・・というこおろぎも心乱れそうになったから、ちょいと弱っていると、人間ふらふらっとしちゃうのよね。その隙間が危ない。


弱いわ弱いわ、人間は弱いのよ。だからこそ知恵、学習、経験、調査、冷静な判断。それができて人間よ・・・・。



さて今日は1日なんとなく落ち着かなかった。ケンケンにと、届くお花たちを生けなおしたり、写真に撮ったり、論文考えたり・・・。
ヘトヘトで迎えた夜、NHKのトップランナー下地勇氏の歌を聞いた。
いやあ、参ったわ。秋川さんの千の風・・・・でゆらゆらになってたこおろぎの心は、ピシッとした。
ボサノバのようでもあり、シャンソンのようでもあり、演歌のようでもあり、すごい。宮古島の言葉のなんと素敵なことか。彼の曲のなんとドラマチックでパワーのあることか。イチオシだわ!CD買わなきゃ。布施明様、寺尾聡様、秋川千の風様につぐ、第3ボタンまであけてもいい歌手の登場だわ。下地さんのギターがまたいい。次々にすごい人が登場する。私も育たなきゃね。


さてさて第3ボタン、これ、日本のオヤジたちが越えることできないハードルの一つかもしれない。まっしろい麻のシャツの第3ボタンまで開けてサマになって初めて国際人かも。カブトムシの場合は、甲虫らしく、甲殻類らしく、あまりに体格が立派なのでいやでも第3ボタンまではじけてしまうのだ。これってどうなんでしょ・・・・・