春が来た!

madam-cricket2007-01-26


Modern-day table manners: Home education and new trends
なんと素敵なタイトル、とうとう完成した。

誰が考えても無理、今回は見送るのが当然だった。年末の私の不調、大学の助手さん千晶ちゃんも公私共に多忙を極め、「先生・・・今回はおやめになってもいいのではないでしょうか・・」と。だけどこの1週間、朝も昼も夜も朝も昼も夜もずっと覚醒したまま書き続けた。その間、自宅のレッスン、大学、三角山放送局、HTBとこおろぎはちゃんと登場した。でもそれ以外の時間はずっとパジャマにセーターで本とパソコンと資料に囲まれ、時おりビール、時おりワインで命をつないだ。最近元気のないケンケンとぴったりよりそい、すっかりこおろぎもおしっこの匂いまみれになった。


25日、午後4時半、締め切りぎりぎりに提出しました、と言うメールを私はHTBの控え室で受け取った。不覚にも涙がでそうになった。イイトシをして私はまだこんなことをしている。若い学生と同じ挑戦をし、体をこわしそうになりながら、それほど大きな評価も得られないのに、猛烈な勢いで突っ走る。また振り回された千晶ちゃん、こんな先生を見て、こんな風にはならないぞ、と学んでください・・・。不細工シスターズが、こんな大人にはなるまいぞ、と私から学んでるように。

とにかく達成感とか充実感は今ひとつないけれど、開放感。久しぶりの開放感。
でもすぐに新聞の締め切りに気付いて真夜中からまたパソコン。今回はこの写真を使う。たった今撮った。義父がお正月書いてマンションの玄関に飾ってあった字に黄色い花を添えた。
年末から頭を悩ませていた論文のせいで、お正月気分はなかった。今やっと、こおろぎに春がきた。


もう一つ春がきた。ホームページの管理人みのりちゃんが不動産鑑定士の3次試験に合格。今日お昼電話がきた。また涙がでた。不動産屋さんの資格ではない。ぜんぜん違う。不動産鑑定士である。
どれほどハードでむずかしい資格試験であるか私は知らなかった。2次試験のあと実務。3次試験は受験の10%しか合格させないという。私はこの何年か彼女の勉強と仕事を見て本当におどろいた。とうとう合格した。万歳!しばらく管理人業務をお休みしていたけれど、これから復帰してたのしいページ作りに参画登場すること確実。初めて広島で会ったとき、彼女は大学院で天文学を学ぶ学生だった。東京に帰った彼女は数年後、立派なプランナーとして札幌のステラプレイスも企画した。さらにその後突然の方向転換で、不動産鑑定士を目指したのだ。迷いながらしかし、確実にステップアップし、己に厳しい数年を過ごしたみのりちゃんに乾杯!

今日、広島からお友達来札。すすきのでランチ。ちょっとおしゃれなお店をまわっていまや全国区の有名花店、「花保」へ。私は数年ぶりにお店に行った。絶句した。これぞ、札幌の誇る花屋、いや日本屈指の花店、「花保」である。緑ばかりのレイアウト、洗練に洗練を重ねた店つくり、選び抜かれた花たち、店員さんの質の高さ。完璧。お友達も感動に震えていた。大きな刺激を受けて店を出た。

テレビで「キラキラ研修医」という漫画のようなドラマをやっているが、研修医以前の「なんちゃって医大生」長女キキはヘトヘトのこおろぎにあいかわらず楽しい授業の話を聞かせてくれる。先日は生理的食塩水1リットル飲む実験でぶっ倒れた男の子の話で盛り上がったが、今回は採血をして血球数を調べるという恐ろしい実験。幸か不幸か気の弱いぶっ倒れた彼とのペアだったとのこと。とてもキキの腕に針などさせない彼。それなら私が、とキキちゃん彼の腕をつかんでブスっと針を。彼は震えて先生の腕にしがみついたとさ。でも初めての注射器、キキさんお上手だと褒められたそう。実にコワイお話。昨日は麻酔の実験。これはマウス。マウスが目覚めるまで5時間じっと待ったとのこと。平和な実験もあるらしい。とにかく学んでいる。

ケンケンは眠る時間が増えた。自ら動くことはほとんどない。でも意思は通じている、
と思う。おしっこしたらしっかり教えてくれる。立派である。キキがいるときは上手に目薬を入れてくれる。ケンケン、あの小さかったキーちゃんがお医者さんになるのよ、よかったね・・・と毎回ケンケンに言ってきかせる。気のせいか、彼女が薬をつけたり、飲ませたりするとちゃんと身を任せる。そのたび私は涙がでる。老衰という現実を見つめるのがつらくて、つい沈んでいると彼女は冷静に言う。「人間も同じ。ケンケンは立派。手足はすれないように、何か挟んで。頭はこうして、背中はこうして・・」と老人施設で実習をしてきた彼女は表情を変えずに世話をする。
子犬のケンケンを引き連れてご近所に見せてあるいていた小さい女の子が、今、年老いたケンケンの世話を黙々としている。大学とバイトでどんなに忙しくても家にいるときは抱えて世話をする。床擦れを避けるには誰かが抱えているのが一番。小さくなったケンケンは膝の上にのせてもパソコンが打てるのだ。痛みとか苦しみとかはなさそう。呼吸は楽そうだ。小さい写真は今日のケンケンと私。ケンケンは優しい時間を私たち家族にどっさりプレゼントしてくれている。