女優志願

madam-cricket2006-11-21

月末からパリに行く予定だったこおろぎだが、ハードスケジュールに耐える体力と気力がなく断念。
パリの花屋さん視察と専属カメラマン志穂ちゃんの撮影は魅力だが、しかし、6日で往復するにはパリ滞在正味3日。かつて通った花の学校や、会いたい人を探すだけで終わってしまいそう。次回、気力体力経済力充実したときに延期。

今のところケンケンは大丈夫。吠えたいだけ吠え、食べたいだけ食べ、出したいだけ気ままな排泄活動。いいのよいいのよ、ホトケのこおろぎがお世話しますわ・・・と言ってもねえ・・・夕べはホトケが鬼になったわ。留守番させたので悪かったわねえと抱き上げたら噴水のようなシャワーのようなおしっこ。それにしても方向さだまらないもんかしら!どういうわけかソファー2つ、サンローランのスカートにカシミアのセーター、テーブルの本までおしっこ浴びた。方向コントロール麻痺したかしら、あったまにきたわ・・・。

今朝、もう犬を飼えなくなった高齢者の愛犬を引き取る施設をテレビで観た。昨日締め切りの料理の原稿とイラスト描きに追われて早朝から苦戦していた私だけれど、ついつい観て朝から号泣。犬は分かるのよ、なんでも分かっているのよ・・・。お父さんとお母さんが泣きながら見送る姿を、ワゴン車から眺めるあの目。犬も高齢、飼い主も高齢。確かに大変だけれど、なんとか1日でも長くいっしょにいてやれないものかしら・・・。ご近所のお付き合いの中でなんとかならないものかしら・・・。無理なのよね・・・。ケンケン、アンタは幸せかもよ。不満もあろうけれど、こうやって壊れたホースみたいに方向の定まらないおしっこと、時と場所を選ばないウンチ三昧もとりあえず許してるでしょ、でかける直前に全身おしっこ浴びちゃう私の身にもなってよね、最近の私、いつもなんとなくおしっこくさい気がすんのよ・・・。ま、この騒々しい家族といっしょにいられるんだからサ、とりあえず、雑種ケンケンの華麗な生き様として満足してよ・・・。それにしても哀しかったなあ、今朝のテレビ。


ファイターズの優勝パレードで札幌が盛り上がった土曜日、東京だった。白金のレストラン。シロガネーゼのレッスンだった。だが優雅なレッスンの前、装飾用のフルーツを買いに行ったこおろぎは品川の食料品マーケット成城石井でえらい目にあった。
東洋系の観光客に「これは飴かしら」と聞かれたのが始まり。抹茶飴の袋を持っている。袋を見ただけでは抹茶とはわからない。ティーキャンディーかと聞かれたので、普通の緑茶ではなく抹茶なのよ、と思わずつたない英語で言ったのが間違い。どこが違うのかと質問。ううっ・・・・。普段飲む緑茶と抹茶は違って、茶道でいただくのが抹茶で・・・と、つまりこおろぎは成城石井のお菓子コーナーでジャパニーズティーセレモニーについてしどろもどろで説明するハメになった。こおろぎも急いでいる。なのに女性の二人連れは目をキラキラさせて質問攻め。台湾か中国の方かも。198円の袋詰めの飴なんだからとりあえず買いなさいよ、とも言えず・・・。そうこうしているうちに同じグループの異国人がお茶のティーバッグ持ってきてこれはどんなお茶なのかとか、かりんとう持ったおばさんがこれは甘いのかしょっぱいのかとか、どんなとき食べるのかとかと根ホリ葉ホリ。気が付いたら金髪の親子も並んでいて(!)、明治とロッテのチョコレート、味はどう違うかとか、別のオバサンは白滝なんか手に持って何か聴きたげにこっちに向かってやってくる。白滝なんか持ってこられたらジャパニーズスキヤキの説明か?なんでこうなるの?「アイムオールソーストレンジャーアラウンドヒアー!」と叫んで大急ぎで会計してその場を離れたものの、「ワンモアクエスチョン」と言ってた白滝おばさんの視線が痛い。なんだかなあ・・・・後味の悪いお買い物でした。

レッスンは最高。メカニクス使わず食卓のデコレーション。さすが私の生徒さんたちだわ、立派。先生は大満足。


その夜、こおろぎのメンズ支援者代表のナカモト君と当ページ管理人みのりちゃんと食事。銀座のベトナム料理。
久しぶりの会談でそれぞれ仕事のあとだったのでかけつけ3杯のビールジョッキー。みんな元気。
美人事務局長は先約があり欠席。こおろぎのセレクトショップは近くこのページにオープン予定。乞ご期待。
テキストも見えてきた。

その夜の宿はオークラでも帝国ホテルでもなく、京急線沿いのTYイン。5回泊まれば1回タダというレディーズカードに惹かれて最近泊まっている。激安なのに朝おむすび食べ放題、というのも魅力。ベッドが大きく、机も大きく、なにより明るいので読み書きできるのがうれしい。でもね・・・・一階ロビー横にコインランドリー。親子連れやなんとなーく人生の喜怒哀楽噛み締めてお過ごしになったであろう様子がにじみでている方、かなりお行儀のよろしくない方がたも大勢。持ち込んだ食料をめしあがあっていらっしゃるグループもいらしたりして、そのあたりはウエスティンともシェラトンとも違う。それでも、おむすびとお漬物が楽しみだったこおろぎなのに・・・時間をまちがってロビーに降りたら2分おそくて下げられてしまっていた。こおろぎ撃沈!悔しいわ悔しいわ悔しいわ。
みればピンクのトレーナーにオレンジのジャージのお子様とウエストゴムの長いスカートにPハウスのカーディガン着たお母さん、トラの刺繍のジャンバー着たお父さんが両手におむすびもってほうばっている。ぐやじい・・。
次回はかならず9時25分にロビーに下りて、3個は食べてやろうと決意。

朝ごはん抜きで編集者Nちゃんとあったのが汐留。コンラッド東京。ロビーは28階。いやあ、一泊したホテルとの違いのなんたることか。朝TYインの喧騒とコンラッドの静寂。埃まみれの香港フラワーとコンラッドの計算されつくしたインテリアのなんたる違い。これを格差と言わずなんとしましょう・・・。

女二人で早いランチ。海をながめるラブシート。2800円のランチ。最近共通のともだちを亡くした私たちなので
その追悼もあってAちゃんを偲んでシャンパンで乾杯しようか・・・と女の友情。ちょっぴりしんみりした私たち。昼間からシャンパンもいいわね、Aちゃんを思い出して・・と言ってドリンクリスト見たNちゃんがウエイターに叫んだ。「グラスでこのお値段?」年に3度もイタリアに行くようなNちゃんはけしてケチではないのに「いらないわ。お茶にして!」と憮然。「グラスシャンパン2400円だって!」声も荒い。コンラッドだから・・・とは言え、2800円のランチの私たちにはお茶で充分。テキスト作りの相談にのってもらったりしてひととき優雅なランチタイムのあと、こおろぎはケンケンの待つ札幌に帰ってきた。


いろいろな写真がたまってしまった。今回の写真は昨日の食卓美学の基礎クラスの様子。おまけの写真は豹柄の似合うケンケン。おしっこの方向が定まらないケンケンです・・。

ケンケンのおしっこの方向が定まらないと怒るこおろぎだが、この年になってまだ人生の方向も見えない。
求められる方になんとか応えながら生きている。これではいけない。ケンケンのおしっこと何もかわらない。
不細工シスターズ次女に「ねえ、これから何して生きてったらいいと思う?」と聞いたら「女優ってのはどお?」と答えた。女優・・・・なんだか面白いわ。このアホな答え。学問もデザインの仕事もがんばりますから、
そうだわ、女優ってのはどうかしら。劇団で活躍してる立川クンに相談してみよう。老女の通行人とか、
居酒屋のオバサンとか、行き倒れの役とかあるかもね。そうだわ、女優ってのもいいかもね!
ケンケンのおしっこ以上に揺れる女心ですわ・・・。