ケンケンの表彰式

madam-cricket2006-09-24


札幌市の獣医師会からケンケンは長老犬として表彰された。優良高齢犬。
19歳は充分感動的。日曜日の今日、郊外のスキー場が会場となったペットのビッグイベントでのこと。カブトムシはウイーンからクロアチアに向かっている。若い日のこおろぎにそっくりでミーハーぶりも板についた次女は、こんなビッグイベントよりジャニーズを選んだ。何ヶ月も前からコンサートのチケットを予約していたので許してやった。実はこおろぎも行く予定だったのだけど、私は立派な大人なので大好きなジャニーズたちとこの日を堺に決別・・・はしないけどとりあえずあきらめて、ケンケンのママのなでイベントへ。居酒屋勤めしながら苦学している長女も再試験を明日にひかえていながら同行。このあたりもこおろぎの遺伝子。もちろん高齢のこおろぎのママも若々しく同行。

これまでつらくてつらくてつらくてつらくてケンケンかかえて幾度真夜中泣いたことだろうか。
それでも大騒ぎしたあとぐっすり寝息たてると、それだけですべて癒されてきた。
わが家の修練だとも思ってきた。
だが世の中にはたくさんのたくさんの愛犬家がいた。
後にいたシェルティは17歳だったが全く動けず声もでない。それでも乳母車で参加していた。ケンケンを見て飼い主さんは吠えることができていいですね・・と。
どうして吠えるの!とうるさいときはしかってきた私は言葉をなくした。
24歳のネコさんもいた。
高齢の犬もネコもどうしてみんな同じ穏やかな目をしているのだろうか。
獣医さんによるとそこまで大切にされてきたからだという。そうかもしれない。
表彰式にあたって会長さんのご挨拶に、飼い主さんの大変さをねぎらう言葉が多く、
胸がいっぱいになった。


市が選んだ高齢犬として20歳のワンコがいた。マルチーズだった。小さいのにもっと小さくなったようなお人形のようなワンコ。お若くはないご夫妻が抱えて登場。
ご夫妻の一人娘として大切に育てたという。「二十歳になりました」という言葉に
前から二番目の席でケンケンを抱いていたこおろぎはなぜかこらえていたものが爆発して
身内でもないのにこのご夫妻の深い深い愛情にケンケンを包んでいたバスタオルに顔をうずめて号泣。私につられて周囲が涙ぐむ。実にこおろぎの涙腺はゆるい。

芝生の上でお昼寝模した。土のにおいをかいでいた。ごめんね、今クリートの周囲。
めずらしそうにながめていた。やっぱりケンケンものがたり書くことにした。

みんな優しい。みんな長寿犬の時代がくる。やさしくなければとても勤まらない。
だからこれは私の優しさ修行。
ケンケン、ありがとうね。

これからもできる限りのことをしたい・・・とおっしゃるご主人と奥様の目もうるんでいて、こおろぎとケンケンなどまだまだ修行がたりないと思ったわ・・・。

そして荒井健犬くんとよばれた。「健康な犬と書いてケンケンです」。「健太くん」と読んだので訂正させていただいた。ケンケンは夕べ一晩大騒ぎして吠えまくったので疲れ果ててぐっすり眠っている。猛烈にキレイな瞳なのに残念。時々目を覚まして周囲を見回せすと誰もが「可愛い!」と言う。不細工シスターズを育てた日々では一度も聞かなかった賞賛。うれしいわ、うれしいわ。
ミキコが撮影係で、ママと私が壇上へ。インタビューまでうけちゃって・・・。
獣医さんは病院全員で応援に来てくださっていた。本当にありがたい。私の仕事の日は朝から夕方まで預かっていただきて健康管理していただいている。

ケンケンは終始ねていたけれどその色艶は19歳とは思えない美しさ。歩行困難ながら
強い生命力で周囲を感動させてくれている。
そのせいか、ケンケンが紅白の風船を首につけていたからか、飼い主が奇妙な3人だったからか、ケンケンに改めて取材の申し込みがあった。近く某局のペットコーナーに登場決定。自宅に取材に来たいとのこと。この忙しいのにお掃除がまた大変だけど、ケンケンが元気なときなら大歓迎。保健所に連れて行かれそうだった子犬が14年も番犬として働いてくれた。その後学校に入れられ、家の中で私たちの気持ちを癒してくれた。この1年、手がかかるけれど、彼は充分に彼としての仕事をしてきたのだから介護される権利がある。ケンケンありがとうね。わがまま放題でいいのよ・・・。

長くなるのでやめる。20歳のマルチーズの飼い主ご夫妻や、多くの愛情深い方がたとの出会いで、こおろぎは元気と勇気を得た。
大きい写真は今回広島のKさんが作ったテーブル。これについてはりんくている函館新聞の連載にも詳しく書いた。