ケンケンの誕生日

madam-cricket2006-07-30

 自分の足で立つことも出来なくなり、吠え続け、なきつづけたケンケン。私の徹夜は5日ほど続き、家族みんなが疲れてきた。洗濯物も掃除も大変なので犬用のオムツを買いにでかけもした。だがオムツをしたとたんに寝たきりになったり、生きる気力を失った犬の話をいくつも思い出してどうして買えなかった。辛い日が続いた。土曜日には家族みんながそろうので、8月はじめに生まれたケンケンの誕生日を祝ってやろうと決めたものの、土曜日までケンケンは元気でいるだろうかと心配になるほどだった。


 それが不思議。再びの奇跡。ステロイドを使い始めて3日目、ケンケンは立ち上がったのだ。横になったまましていたおしっこも、朝晩外に連れて行くとちゃんとする。ヨロヨロしながらも4本の足で立ち、その後支えてやるとちゃんと家の前を歩くようになったのだ。いったいどうなっているのだろうか。4本の足はブラブラで立つことなど再びないと誰もが思っていたのに。外でおしっこさせて以来、ケンケンは家の中で粗相をしない。滑らないところでは積極的に歩こうとする。プライドを取り戻したかに見える。あまりにかわいそうで安楽死も視野にいれていた私たちだったのに・・・・。老人介護の原点を見た思いである。


 元気になった土曜日予定通りパーティーを開いた。ケンケンの19歳の誕生日だと言ったら馳せ参じてくれた友人や仲間がいた。思わぬ盛大なパーティーとなった。いつもはぐずぐずするケンケンもずっとよい子でテーブルの下で寝ている。途中で起きてもおとなしく抱かれておしゃべりに参加。全く感動モノだった。
特注したケーキも大好評。ケーキ屋さんのオジサンに猛烈なプレッシャーをかけて、製作指導をした私。万一可愛くないケーキだったら大暴れしようと思っていたら、
ご覧のような仕上がり。みんな満足。当のケンケンは一口も食べられないわけだから
キョトンとしているが、味も私の好みで上質のバタークリームで上々だった。


 不細工シスターズは、今こおろぎの一番若いボーイフレンドのT君が来てくれたので大満足。25歳の役者。近く大泉洋を抜く予定。まもなく東京進出。その他、アナウンサー、ピアニスト、プランナー、外科医の参加でワイン6本とビール何本か。ラタトゥイュ、チリビーンズ、サーモンのムース、豆腐のサラダ、豚のオードブル、肩ロースの赤ワイン煮、ホタテのプロバンス風・・・うなきゅう寿司、デザート・・・。ケーキカットは真夜中1時過ぎ。大の大人が、ケーキが可愛いから切れるの切れないのと大騒ぎ。そこで外科医が「痛くないように切って見せます」などというのでお手並み拝見したところ、迷わず躊躇なくカッコいい切り方。神の手という噂はホントかも。ちなみに最近彼はテレビにも頻繁に登場。イタリア帰りの外科医はケーキカットも上手だった。若い役者さんがいたこともあって話題は芸術論、文化論にまで発展。娘達も参加して楽しいひとときだった。ケンケンのおかげで集った人はみんな笑顔だった。この写真は不老長寿のお守り!19歳のケンケンに乾杯!