こおろぎの週末


 ハードな第4週をすごしたこおろぎの土曜日は平和だった。朝から顔も洗わず・・・(これがこの何日かの美顔計画をダイナシにしたかんじ・・・・)、ずっと書類の整理。3年前の引越しからずっとさわっていないアチコチにとうとう手をつけた。パソコンの内容の整理も同時進行。テレビ観ながらダラダラしながら、しかしとうとう動き出した。書類の山を片付けていると探していたものがでてきたり、考える途中だった資料が出てきたりして感動。パソコンの中のこの10年間の資料や原稿もまとめはじめるとこれもまた感動。私の頭の中も整理されてくる。今年後半に入った。ちょっとキレイに暮らしたくなった。


 最近テレビドラマの質の低下が気になる。NHKの「ディロン・運命の犬」の最終回、つい犬が見たくてチラチラと観たけれど、樋口可南子だけが光って、大杉レンの個性は全くでない脚本。とにかく台詞がくさすぎる。こおろぎは歯が浮いて大変だった。娘二人も「聞いてられないわねえ」とのこと。演出が学芸会。フツーこんな会話しないでしょ、と思うものばかり。せっかくの犬モノだったのに・・・。脚本、演出あってのドラマ。登場人物が少ないときこそナチュラルでなけりゃね。生徒さんたちが今小さい映画館でやっている「かもめ食堂」という映画が最高だと話していた。絶対に観るように薦められた。なにもかもいいらしい。特別なストーリーじゃないのに大きな感動があるとのこと。やさしい気持ちになるという。観たくなった。


 昨日顔も洗わず、なのに直射日光の入る部屋で仕事した上、夜も遅かったのでこおろぎの表皮は今朝猛烈に不調。今週はデッカイパーティーに誘われているというのに・・・。困った。浪人して頑張ったのにたった一度のセンター試験でコケタ気分。手をぬいてはいけないんだわ・・一日だって。アンチエイジング計画、早くも挫折の気配。


 アンチエイジングと言えば・・加齢は止められない。どう年齢を重ねるかに尽きる。最近驚いたのは中井美穂がきれいになったこと。彼女はまだ若い。だけどいったい古田選手は彼女のどこが気に入ったのかしらと昔は思ったものよ、私。彼女は垢抜けない印象のアナウンサーだった。断じて美人でもない。それが最近の髪型がいい。美しい。長い前髪が新鮮。こんなに変わるかと思うほどいい。最近の松島菜々子を意識したかと思われるわ。


 イイトシをして一本おさげ髪ですっぴんの女性を先日みかけた。20年前のチャーリーズエンジェルヘアを2分に一度かきあげるキャリアマダムにもお会いした。「若い人の着るべき」Y’Sを着てベリーショートのヘアにペッタンコシューズの50代半ばの女性にも遭遇した。我姿を省みるに充分な遭遇ばかりだ。最近47センチのミニスカートが心地悪い。ミニに飽きたのもあるけれど、人間どこかで脱皮したほうがいい。周囲にもご迷惑。某N局のアナウンサー某女史など、会社が何も言わないのかと思う太いお体に肩までの乙女っぽい髪。だめでしょ。たぶん四十路は越えたとお見受けする。年相応、が一番。アナウンサーといえば、有賀さつき様が復活した。かわいそうな和田解説員。何がどうであれ離婚って片方が語ってはだめ。はじめからいやだった・・・みたいなこと別れた妻に公共の電波使っていわれちゃね。女性のアナウンサーはどっさりいます。なにも復活したアナウンサーにご登場いただかなくてもいい・・・となぜか私、和田解説員にとても同情しているんだけど、どうしてかしら。

 W.B.イエイツをよく知らなかった。非常勤講師室でいつもごいっしょする。先生と初めてお話しをしたら彼は英文学を教えていて専門がイエイツ。イエイツといえばアイルランド。カブトムシもアイルランドにいたのでちょっとお話をした。イエイツの詩を色々教わった。いいなあ。学者っていい。知らなかったわ、大江健三郎の「燃え上がる緑の木」(字違うかも)ってイエイツの詩からとったんですって。一時期から大江文学から遠ざかっているこおろぎはびっくり。燃え上がる緑の木って緑の木が燃え上がるイメージかと思ったら半分が燃えていて、半分が緑の木のことなんですって・・・。


 ほんのひと時だったけど、こおろぎはこの若い英文学者と話した哲学的な時間がうれしかった。彼は英語学より英文学を重視したいと力説していた。その流れで昨今の小さい子供に英語を教えることへの疑問も話題にした。しっかり国語を教えること(文学ってことよね)が最終的な英語力につながるのに、と悲しそうだった。・・・。この問題は深い。・・難しい。とにかく実は若い日、ゲーテリルケの詩を愛したこおろぎ、もう大人なんだからイエイツをちゃんと英語で読んでみようと思った次第です。


 脳を活性化させるドリルがある。だけど指の運動だけいくらやってもピアノは上手にはならない。弾いてこそピアノの練習。アンテナを広く張ってときめくものをどれだけ両手に抱えるか、が一番のアンチエイジング違いない。趣味と遊びのない生活がもっともだめ。お金をかけるかどうかでは断じてない。トキメキはどこにでもある。こおろぎの場合はお勉強だったけど、その時間がうまくつくれないでいる。これも能力不足のため。


 小熊英二著「日本という国」もイエイツ同様、読みたい。時間をどうやりくりするか。どう体力をやりくりするか、シワシミタルミの心配同様大問題のこおろぎである。写真は岩手から取り寄せたバラの最後の一本。こんな朝ごはん、やっぱり幸せ。