ショック

madam-cricket2006-04-21

 イタリア帰りの外科医と話しているうちに胃カメラの検査を受けることになった。とくにどこがわるいわけでもないが、義父のこともある。義母のことも父のこともある。私は彼らの分もどっさり生きなければならない。銀行につとめる知人は全く自覚症状がないのに会社の検診でかなりすすんだ胃がんが発見され手術。そしてあっというまに生還。わずかな入院で仕事に復帰。しかも癌と診断されたら○○百万円・・という保険にどっさり入っていたので大金持ちになった。保険に入っていな私は病気を発見されてもどうしようもないが、とにかく私には責任があるような気がして乳がん、子宮がんについでこれまで逃げ回っていた胃カメラに挑戦することになった。

 絶対に眠ったままだから・・・とだまされた。病院にいったら軽い鎮静剤・・という表現。ベッドの上に横になるまではなんとか己に鞭打ったけれど、不安で看護師さんに聞いたらやっぱり「軽い鎮静剤」。話が違う。「意識のない状態だと聞いています」と言ったけれど、看護師さんは微笑んで「大丈夫、先生お上手だから・」と。無理無理。歯磨きでも吐きそうになる私。「帰ります・・」とチキンハート。そこにイタリア帰りが全幅の信頼を寄せるこれまた名医が登場。イイトシしてベッドでわがまま言う私に「検査終わったら帰りましょうね!」と一喝。優しいお顔で怖かったわん。「平気平気・・・」といいながら怪しい注射が2本。あらら・・・。

 目がさめたら私は車椅子。検査は終わっていた。他にもどっさり胃カメラの検査の患者さんがいらっしゃったけれど、みなさんちゃんと立派に飲んでちゃんと歩いているのにこおろぎだけが車椅子で移動。「何者?」「何様?」状態。クーっ、本意じゃないわ・・。車椅子おしてくださっている看護師さんに「本当に終わったんですか?」と聞いたら「ほかの方の何倍も眠っていただきまたからね・・・」と冷たい。きっとイタリア帰りが事前に「相当なわがままな奴だから」と伝えてあったに違いない。それにしても歯医者さんの麻酔で具合が悪くなった経験のあるこおろぎは喉の麻酔もせず、でもいつのまにかなにがなんだか分からないうちに胃の中を見られていた。狐につままれた感じ。大騒ぎしたのがお恥ずかしい限り。


 別室で休まされてから先生のお話。さてこおろぎの胃は?


 こおろぎには自信があった。絶対にきれいな胃だと確信していた。不快感があるときもあれば多少痛いこともあるがそれは人間だから当然だと思っていた。なのに、あら、胃潰瘍の痕跡。食道に大人らしい糜爛。ちゃっかり暴飲暴食のおっさんんのような胃なのだ。ショック。心配は無用だけれど、ストレスのない生活をしてくださいね・・・と先生。これまたきっとイタリア帰りが正体不明の私の仕事ぶりと真夜中にかりんとう食べながらワイン飲む生活を告げ口してあったと思われる。

 かくしてモーローとしたこおろぎは本日午後の予定は何一つこなすことができず帰宅。なんとなく病気の気分。普通に生活していいと言われたものの、こおろぎの体はフツーの生身の人間だと痛感。無理すれば壊れる。まざまざと見せられて本当にショック。やっぱり仕事は選んで、そして決めたことはしっかり絶対に完成度高くやっていこう。いやなことはしない。絶対にしない。どうせわがままな人間なのだからこれを通そう。そのかわりできることはちゃんとやろう。

 こおろぎはちょいと元気がない。己の胃を見たショックである。でも明日からリニューアルオープン。ロボットのようだったこおろぎがフツーの人間らしい生活を開始しよう。さてできるだろうか、フツーの生活って。真夜中に物書きしないでいつ書くんだろう。真夜中に飲まないでいつお酒のむんだろう。真夜中以外のいつモノを考えるんだろーなー。お洗濯も料理も深夜が一番いいのになあ・・・。こおろぎは127歳まで必ず生きます。そのために日々胃腸を大切に暮らします。暴飲暴食、昼夜逆転生活をなんとか直します・・・ってできない約束はできないけれど、127歳まで長持ちさせることをここに誓います!とこれを書いているのが深夜12時52分。大好物のかりんとう食べながら、残ってたワインをグビグビ。実に全く反省のない人間である。ショック・・。