静かな夜

madam-cricket2006-03-06

ケンケンが母校の寮に行った。札幌から2時間もかかる町の犬の学校。ケンケンが14歳とき、もう無理かもしれないけれど・・といいながら入れてくれた学校。ケンケンは奇跡のようにその学校で室内犬に変身しました。そこの先生ご夫妻は犬と完全に会話ができる。
思い切って1週間預けることにした。私が限界になった。もう3年、ケンケンの昼夜逆転は続いているのだけれどこのところ日中も手がかかる。何もできない。健康診断もして、とりあえず元気なのでお願いした。

寂しい。家族みんながケンケンどうしてるかなあ、ケンケン何食べたかなあ、ケンケンウンチしたかなあ、ケンケン寝たかなあ・・・とケンケンケンケンとうるさい。私の耳はケンケンの声を探している。家に入るなりケンケンの声が聞こえないか耳がとんがる。外の犬の声にも反応する。静かさに慣れていないので寂しくてならない。母もカブトムシも娘たちも、みんな寂しい。

18歳で1週間も家族と離れる老犬。でも学校が遠いので他に方法がない。犬のホテルはいくらでもあるが、ケンケンはあの先生ご夫妻にしか預けられない。こっそり聞けば、よい子でかごの中寝ているという。吠えもせず、ウンチをしたらちゃんと教えているという。うそ・・・。なんていいワンコなの?信じられない。猫かぶってるの?犬が猫かぶるか?やりたい放題し放題のケンケンが、吠え続け、わがまま三昧のケンケンがよい子で絶賛されているって?ああ、もしかしたら気を使ってるのかしら・・いや、違う。犬研究家のMちゃんが言っていた。「このタイプのオスの老犬は見栄はるのよ・・・」かっこつけるらしい。つまり、やればできるってこと?

たかが犬一匹に苦労しながら学ぶ日々。どうであれ寂しい。クッションの毛を見てはため息。でも今こそ仕事と掃除の時。1週間後、よい子のまま帰ってきてもまたわがまま三昧になるかもしれない。ケンケンがせっかく我慢して遠い学校にいるのだから、私たちもがんばらなければ。

なにはともあれ函館に帰ろう。函館の家を片付け、大切な生徒さんたちにお会いしよう。
あれもこれもあれもこれもやってしまおう。

それにしても3月はメランコリック。ドーンと重たい気持ち。明るい色を着て、ちょっとほほ紅も赤くして、おてもやん気分で乗り切るしかないか。

ケンケン!がんばって帰ってくるのよお〜っ!
かあさんもあちこちに吠え散らかしながら、立派に1週間すごしますからね〜っ。猫かぶってがんばろーねっ!

寂しい夜である。