師走前の大走り

madam-cricket2005-11-28

この20年、毎年この季節、こおろぎの巣はクリスマスの準備でドロドロになる。家族のためのクリスマスの飾り・・というのではなく、各お教室で使うドライフラワーやビーズなどで床がびっしりになる。アレルギーのひどいBusaikuシスターズと私自身、クシャミしながら1ヶ月を過ごす。今年もその季節になった。が、今年はドライモノを減らしたのでちょっと楽。


11月28日、29日は札幌の自宅アトリエでおもてなし塾
12月 2日は広島教室で昼と夜
12月11日は東京。今年は六本木ヒルズグランドハイアットの中華料理をいただきながら。
12月20日は札幌、ラ・バイエンタルーひらまつ でおもてなし塾特別編。
その他、色々。


 いろいろなことがあった今年、ドッカーンという花火打ち上げる年末ではなく、静かに穏やかに、とにかく素敵に1年の復習とまとめをしたいと思う。10月のパーティーの余韻を胸に、しなやかな年末をすごしたいのです・・・って、うふっ、ちょっとホルモンのバランス崩してる感じ?


 一時はどうなるかと思った義父は総合病院に転院。ベッドに寝たきりからすっかり歩け歩け・・・の方針に変わって元気回復。病人はつくられるものだと痛感。1週間検査を続けてから今後の方針を決定。まずは待機。


 今日は朝も早くからカブトムシがテレビに登場。30分間、魚のDNAの講義をした。普段、うっかりカブトとテレビを間違えるほどカブトは頭が大きいので、テレビの画面びっしりに顔が映し出されるのではないかと怯えていたが、それが不思議。あれほどのデブが、普通のデブに見えた。フェレのスーツとネクタイでなんとか着飾ったものの、落とし穴があった。野外での実験風景のVTR、ああ、ぐあぁ〜、カブトはやっぱりカブトムシだった。腰まであるゴム長姿で、首(といっても背中からすぐ頭なので首状のくぼみは定かではない)に豆絞りの日本手ぬぐいまいてましたわ・・・わ・・・わ・・・。しかもシャツはアロハ。研究室のVTRも、猛烈にド派手な普段のシャツ。デブは何着ててもいいのだけれど、つくづく思ったわ、話の内容と衣装の関係。雄雌を決定する遺伝子を研究しているわけだから、かなりレベル高いお話のはずなんだけど、豆絞りじゃねえ・・・、アロハじゃねえ・・・、ホストクラブのモトジメみたいなフェレのスーツじゃねえ・・・、なんとなくお話の信憑性が欠ける感じ。クローンの研究も掌中のカブトなのに、かつて話題だった羊のドリーに言及したカブト、ドリーちゃん、ドリーちゃんと連呼。あほか。「ちゃん」をつける学者がいるか。やっぱり「オカマのフグ」とか「ニューハーフのドジョウ」程度かもよ。ノーベル賞とれるかと思った私がアホだったわ・・・・。


 連日何かに追われているこおろぎに、ニューハーフのドジョウ学者が絶対に読むようにと珍しく勧めた本がある。「下流社会」。目下ベストセラー。三浦展著。光文社新書。ぐうの音もでない数字の提示で1つづつ現実をつきつける確かな力。マーケティングのプロの視線。こおろぎは途中でつらくなって読めなくなった。何が辛いかは説明しかねるが、こんな目線の人間がいることは喜ばしい。かつては上流社会の人間が遊んで暮し、下流の人間が労働した。だが今は上流の人間が働き、下流の人間は働かない、という指摘。私自身、生活総てを概観する仕事上、どんな局面にも大きな二極分化を痛感する昨今だった。100円ショップあり、高級食器あり。私はそれを組み合わせるのを得意とするが、しかし、奇妙な違和感と居心地の悪さもいつも感じていた。コンビニ弁当あり、三万円のフレンチあり。ユニクロあり、シャネルあり。食器なら100円の器とマイセンを同居させることはなんとかできても、それ以外は接点がないのだ。距離が埋まらない。

 
 今、私は母親業、嫁業もちょっとだけ忙しく、新しい理論に没頭する余裕がないので途中で読むのを止めているが、一段落したら一言一句確かめながら読んでみたいと思う。こおろぎ組にもぜひお勧めするわ。速読の技術だけはすぐれているカブトがめずらしく私に勧めた本なのよ。下流はフジテレビが好きなんだそうだけれど・・・、あれもこれもみごとにこおろぎは下流傾向。この本を読む醍醐味は、誰が上流で誰が下流かというようなことではなく、下流がどうのこうのということでもない。こんな頭のよい人間がいるんだわ、という部分を読みとって欲しい。宮台真司という社会学者がいる。彼の結婚をばっさり切った1節(P155)には両手パチパチのこおろぎでした。


 さ、これから華麗にすごした土曜日の総決算の時間。やりのこした仕事を片付ける。朝はカブトのテレビではじまり、アレルギーのひどいこおろぎは耳鼻科へ、そのあと義父が以前入院していた病院と義父のマンションに行って、お昼はさんで午後は義父の新しい入院先へ。それだけでも病院3軒はしごしてるのに、カブトはインフルエンザの予防接種したいという。か細い弱弱しい姿ならばソウねソウねとも言えるけれど、カブトにウイルスは巣食わない。だけどしかたなく別の病院へ連れて行った。その後買物、そうこうしていたらピアノの先生がお見えになって・・・、ケンケンのウンチさわぎのなか、美しい音色が流れ、そこへアシスタント朝代ちゃんが登場し、私はケンケンかかえてメールみながら朝代ちゃんと話しながら、原稿に目を通すというというひとときでした。今一息ついたけれどこれからお料理の試作。また徹夜かも。これぞ一流の下流ってやつよ。下流なら堂々とした下流たろうと思う。せっせと働き学ぶ下流もあることを証明しようと思う。こおろぎの夜は長いのよ・・。