こおろぎ父母会へ行く

 午前中の「生活美学」の授業のあと中学校の父母会へ遅刻して参加。10数名のお母さん+1名のお父さんが親睦を深める昼食会。途中で担任も参加。お母さんたち若い若い。干支が同じだといって騒ぐと恥をかく。一回り下。もちろんもっと下もいる。なんと29歳もいる。父母会に直行しなければならないのでいつもの黒のタートルにベージュのカーディガンというスタイルで行ったのだけれどやっぱりまたなんとなく違っちゃってたかも。ノーアクセサリーの集団に慌てたわ。南アフリカの酋長の妻みたいなワッカ状の首輪にカーテンリングのようなイアリング、いつものクセで指輪は2つ。居心地悪いのは当然。午前中の授業で「ウチとソト」について話しをしたせいもあって考えこんだ。

 子供の学校は「ウチ」か「ソト」か。ソトにはソトへの装おう形や着る形があるんじゃない?ソトへは武装しないと出られない私はどうしても金属モンを身につけなければならない。酋長の妻なので当然。テーラードスーツで行って浮いた経験が多いので今回はカーディガンにしたのだけれどまだかたかった。ジーンズにティーシャツに綿のシャツを羽織るというのが1番目立たないのかも。ドルチェ&ガッバーナのパンツにアンナモリナーリのティーシャツではだめ。ウエストにゴムの「ジーパン」とか本当にさりげないシャツって探すほうが大変かも。とにかくソトだかウチだかわからない衣装の若いお母さんは先生にもタメグチ。いかに親睦会でも「あのさ、うちのこったらさ・・、」と始まって最後が「・・・ですかねえ」ってまとめてもちょっと違うんじゃないの?我家なんてこおろぎキッズはふたりとも、私がキリキリカリカリしてる時は母親にもデスマス口調。もちろん配偶者も緊張してくらしている。つまりウチはウチではなく彼等にとってはソトなのです。私はソファーにひっくり返って寝るくせに家族がくつろいでいるのを見るのがイヤだというわがままさ。結婚当初カブトムシに家でもスーツでいて欲しいと懇願したが、私のわがままで鍛えられてそうとう辛抱づよくなったカブトムシもそれだけはできないとこちらも懇願したから許してやった。我家、いや私が特殊だというのは最近わかったのだが、しかし、例えば病院に子供を連れていくとき、私は病院は完全にソトだと思うから武装する。子供の命を預けるのだからこちらも油断せず「下手なことすんなよ!」と気迫をもってでかける。高熱で赤ん坊が泣き叫んでいても顔を直して真っ赤な口紅きりりとつけて、スーツ着こんだもんだわ。不必要な鎖も首に巻き、耳輪腕輪でお医者にも対峙したもんだわ。でもそんな意識の母親なんかもういないのかもね。ケジメよケジメ。これは大問題。

 この父母会の後半、予想通り年齢の話になった。どうして女が3人以上あつまったら誰が年上かという話になるんでしょ。鶏じゃあるまいし、順位を必ずつけたがる。若けりゃいいのか、若けりゃ。養豚、養鶏、養魚場ならいざしらず、人間の雌の年齢に関する意識のレベルってどうなの?私は若いころ、若いことが結構恥ずかしかった。早く大人になりたいと思ったけどなあ。お若いわネエといわれるのは、アホか、と言われるのと同義だったのだけど。さてこの父母会ではしっかりしたお母様がお一人、私の方をしっかり向いて「この中では私が1番年上だとおもうわあ〜」と口火。鶏ママである。お化粧っ気なし。清く正しくいきていらしたに違いない。もちろん私のようにヘビメタ系の武装貴金属もつけていない。みんな私の発言を待っている。鶏ママの年を知らない私は黙っているしかないからニコニコヘラヘラ笑っていたら、「荒井さんは20歳のお嬢サンもいらっしゃるんですよねえ」と今度は眉が4本もある養豚ママ。うっせーんだよ〜!12歳の孫がいる同級生もいるから30歳の子供がいてもおかしくない。だがそれを言ったらみんなが大喜びしそうなのでただただ口角あげて微笑むこおろぎのいじらしさ。それでもママ達全員がききたがっているのがよくわかる。意地でも言わないこおろぎ・・・。と、そのとき、クラス委員の美人ママが「いいえ、鶏ママ(とは言わなかったけど)より荒井さんのほうがしっかりお姉様です!」とまとめたのでした。ウウッ・・・。だからなんだ?私が鶏の姉か?それにしてもどうして美人ママは私の年を知ってんだ?こおろぎキッズ2号が喋ったに違いない。コケコッコ―!