卒業

時おり吹雪くのに
時おりこんな青空。

3月2日
わが家の次女、コロ介が高校を卒業しました。

3年前
第一志望の学校に失敗し
大粒の涙をこぼしたコロ介でした。

第二志望の決定は
こおろぎの独断でした。

子育てに不熱心な母が
たった1日オフを見つけた日
たまたま説明会にいった学校が
コロ介の青春の舞台になったのです。



でもその説明会で
このダメな母親は
その学校の個性と指導力
ひと目惚れしたのでした。


とはいえ、
第二志望は第二志望だったので
入学式の日のコロ介は
今ひとつ元気がなかったのでした。


3年前の入学式は
しかしながら
感動的でした。


まだお若い教頭先生はご挨拶の冒頭で

「あなたがたの中に
約40名ほど、本当はこの学校には来たくなかった
と思っている人がいるかもしれません。
でも
そんなことは全く問題ではないことに
きっと気がつくはずです。」


そうストレートにおっしゃったのです。
こおろぎは
ダメ母なりに
最高の決定ができたと安堵したのでした。
この高校は間違いがない
コロ介はきっとここで最高の高校時代をすごすことができると
確信したのでした。


予想通り
個性的な緑色の制服が似合わないとか
太って見えるとか
学校が遠いとか
ああだこうだと
ぐずぐず言っていたのはわずか3日。

三年生の学校祭は
彼女のパワーが炸裂していました。


多くのすばらしい先生、
明るく利発なお友達を得て
アメフト部のマネージャー、
国際局、茶道部、生徒会等
彼女は沢山の場面で
次第に
キラキラと輝いていきました。


幼少期から喘息を持ち
低血圧性のひどい頭痛
食物アレルギーなど
楽ではない日もありましたが
いつのまにか
緑色の制服がよく似合う18歳になりました。


この制服は彼女の時代が最後で
次の学年から変わりました。
懐かしむ声の多い、素敵な制服でした。
さみしい限りです。


辛いことも多かったでしょうけれど
コロちゃんはよくがんばりました。

広島県東広島市に生まれ
楽しく幼稚園時代を過ごしました。

でも家族の仕事で
小学校は広島から飛行機に乗って
北海道函館の教育大学附属小学校を受験に来ました。


大きなスーツケースを引きずって
「こんなに寒いところはいやです」
「もう広島に帰りたい」

何度も泣きそうになりながら
二日間の試験を受け
合格したのでした。


中学校は
これまた家族の諸事情で
札幌へ移動。
徒歩で長い道のりを
大きなカバンを肩に通うことになりました。

3歳から続けたバレエも中断
あれもこれも
なにかと思うに任せぬこともあり
笑顔が消えそうになった日もありましたが
持ち前の明るさを忘れず
ここでも多くの仲間を得ました。


高校入試に際しては
迷うところもあって第一志望に失敗しました。
そして今また
大学受験の大きな壁に
再びあたって砕けそうです。

でも
いいじゃありませんか。


この母も
大学受験には失敗し、
たまたま合格した大学に進み
そこで2年間、ひっそり再起を期して
勉強を続け、結局挫折。
それでも
すばらしい恩師に出会って大学院に進み
そしてまた挫折。

挫折に次ぐ挫折の人生前半でした。


42歳で再び大学院を受験して入学した日、
入学式の父母席に、7歳上のキキとしっかり手をつないで座っていたのは
3歳になったばかりのコロ介でした。

そのあとは
学問の世界に戻った母の
わがままに
不細工シスターズはずっと耐えてくれました。
「今日もおかあちゃまはおべんきょう」
それが口癖の二人でした。


あなたがたのおかげで
こおろぎはこおろぎになれたのです。


こんな小さい日がありました。
母のジャケットとおそろいのスカートです。
不細工は母譲りでした。

こんな日もありました。
キキと母の連弾の発表会でした。
招かれざるコロ介のまさかの登場でした。

仲のわるいシスターズのはずでしたが
どの写真も
二人はしっかり手をつないでいます。

シスターズの初めての旅はアラスカでした。
カナダを長く旅した日もありました。
アメリカの田舎町では
保育園に入れられ、過酷なベビー時代もあったはずです。

いつだって幼い二人は
こうして手をつないでいてくれました。


先日
国立大学前期試験の前夜、
ドイツにいるキキから心細いコロ介にメールが来たようでした。


「おねえちゃんからメールだ・・・」

ベッドにとび乗って
小さい携帯の画面を覗き込んでいたコロ介の目に
涙が溢れたのを
母はみのがしませんでした。

古い写真のキキはこおろぎが若い頃着ていた着物を、
コロ介は、義母、カブトムシの母が十三参りで着た着物を
着ています。広島時代の一枚でしょうか。


一度や二度、転ぶことなど
何の問題もありません。
キキだって、現役の受験には失敗。
辛い浪人によく耐えたのでした。

楽にスイスイ泳ぐことのほうが怖い。
転んでは小石や草花を掴んで立ち上がる、
これぞ人間の醍醐味です。

卒業式が終わったころ
キキ、成田に到着とのメール。

今度はキキの卒業式です。


コロ介の卒業式は
すばらしいものでした。


担任の先生のすぐ後ろを歩いてきたコロ介は
堂々と胸をはり、
その歩き方は
3年前とはまるでちがって
本当に素敵でした。
それだけで
母は満足でした。

入場と同時にもう涙。
そして
校長先生のお話で
号泣のこおろぎでした。

やっぱりすばらしい学校でした。

体も弱く、
小さかったコロ介は
本当に大きくなりました。
上の写真は高校3年の学校祭。
どこかにコロ介がいます。

こおろぎ組の皆様の中には
コロ介が生まれた時から応援してくださっている方も
いらっしゃるので
今夜はこんなブログになりました。

コロ介は胸をはって18歳の春を迎えます。

みなさまに感謝です。

この写真を撮ったとき
珍しく親バカ気分になって

これはもう
韓国の・・・・

こんな美少女たちには
ぜんぜん負けてないわっ!と
思ったこおろぎでしたが



あららららららららっ!
胸をはって素敵ではありますが
堂々として素敵ではありますが


なんとなくですが・・・

なんだか堂々としすぎている感じもする昨今・・・


コロ介、この過酷なはずの受験勉強で
なんとわずかな日々で5キロ、太ったのだそうです。

5キロといえば
どれだけのお米?
どれだけのワイン?
何ヶ月の赤ちゃん?


天晴れコロ介!
どすこい!コロ介!
がんばれ、コロ介!

それ行け!不細工シスターズ!


春はすぐそこです。

ホームページの表紙の写真も春色に変わりました。
管理人みのりちゃん、ありがとうございました。
彼女は今小倉。
明日は札幌に飛んでくるそうです。

新生エコール・ド・フルールにご期待ください。